永瀬くんは、ニセのプリンス様【1】 (ページ42)

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あ「永瀬くんってタピオカ好き？」

廉「別に嫌いでもないけど好きでもない」

あ「飲む？」

廉「どっちでも」

あ「じゃー買ってくる」

たまたま通りかかった場所にタピオカ店を見つけ、

久しぶりに飲みたくなって

自分の買うついでに永瀬くんのも買うことにした。

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二つのタピオカを両手に

永瀬くんが待ってる場所へ行くと、

女子の人だかりがすぐに視界に入った。

あれは見なくても分かる。

囲まれてるのは確実に永瀬くんだ。

少し離れてる間にあんなに囲まれて、

人が集まる美貌を持つのも一苦労するな。

邪魔したら申し訳ないと思い、

ひとまず少し距離を置いて様子見ることにした。

写真撮るのを頼まれ、

貼り付けただけの笑顔で快く承諾して

一組ずつ一緒に写真を撮ってあげる永瀬くん。

表面上は優しくしてるけど、

内心嫌々なんだろうなーと

遠くから彼の気持ちを悟りながら

タピオカに刺さってる太いストローを

チュゥッと吸った。

…それにしても長い。

ちょっとだけ待ってようって思ってたのに

いつまでも女子の人だかりは減ろうとしない。

さすがに永瀬くんのタピオカがぬるくなっちゃう。

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