永瀬くんは、ニセのプリンス様【1】 (ページ39)

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ライトを照らさないと

本当に何も見えないくらい真っ暗で。

不気味な空気と奇妙な音のせいで

余計雰囲気はそれらしく恐怖心を抱かせていた。

廉「よう出来てるな」

ちょ、ちょっと…

そんな先行かなくてよくない？

もう少しゆっくり歩いてくれても…ねぇ？

廉「なぁ、怖いなら素直に怖いて言うたほうがええで」

あ「だっ、だから怖くないってば」

廉「よう言うわ。手震えとるけど。」

分かってるなら歩幅くらい

合わせてくれてもいいじゃない。

あ「こっ、これはちょっと寒くてー…」

ダンッッ！！！

少し油断した瞬間、

背後からいきなり大きな物音がした。

その物音と同時にビクッと分かりやすく肩が上がり、

恐る恐る音のする方へ振り返る。

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あ「あ…あぁぁ…」

どこから現れたのか分からないゾンビが

唸り声を上げ、ゆっくりこちらへ近付いてきて、

あ「きゃぁぁーーっっ！！！！」

と思ったら突然走り出してきたから

恐怖のあまり悲鳴を上げて

先頭に立っていた永瀬くんにしがみついた。

あ「きてるきてるきてる！！たっ、助けてっ！

嫌ぁっ！！ムリムリムリ！！！」

廉「はっ？ちょっ、おい。落ち着けって。」

あ「この状況でどう落ち着くの！？

ムリムリムリっ！！！早く走ってよっ！」

落ち着いていられるはずがない。

こっちは命かかってるって言うのに。

永瀬くんの言葉なんか全く頭に入らず、

迫り来る恐怖のあまり早く行けと

無理矢理背中を押していた。

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