ボクの神様、ボクの運命 (ページ3)

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ひとつページ3

ジャラ……

ボクがヒトではなく、モノになった時からついている足枷。
もう体に一部のように思えてきた。

昔はこの音が嫌いだった。
足を動かすたびに「キミは一生人形だ」って言われているような気がして、すごく惨めな気持ちになったことを覚えてる。

でも、涙は流れなかったんだ。
目から出できたのはキラキラと光る石だけ。

ボクの名前はネフライト。
個性は「宝石」
バース性は‘オメガ’

個性のせいで涙じゃなくて宝石が零れ落ちてくる体になっちゃったんだ。

「ネフ、こっちへ来なさい。もう寝る時間よ？」

「……(コクリ」

ボクのご主人さまはキレイなものとカワイイものが好き。
ご主人さまはボクがかわいくて仕方がないらしく、ボクの目から宝石が零れ落ちる瞬間がたまらなく好きらしい。
キレイなんだって。

ボクはお人形、ご主人さまのお人形……。

バース性がオメガのせいで普通の男の人よりも体が小さいボクは、ベータで女のご主人さまより小さくて力で勝てない。
１回だけ抵抗したことがあるけど、あの時はひどい目にあった…。

あれ以来ボクはご主人さまのお人形になった。

「…ネフ？
どうして声を聞かせてくれないの？」

「ぁ…ご、ごめんなしゃぁ……」

「ふふ…、いいのよ。私のかわいいネフ。
ほら、ベットに入って頂戴。今日は何もしないわ。
私も疲れたし、ネフも眠たいでしょう？
……おやすみネフ。
また明日、たくさん愛してあげるわ。」

そう言ってご主人さまはボクの項を噛んだ。

「お、おやすみなさい…ご主人さま…」

ご主人さまはベータだから番になることはないけど、本能からかいつも体が強張って涙(宝石)が零れ落ちる。

いつかこの生活から解放される日は来るのかな……

とっくの昔に神様はいないって、いてもボクを愛してくれてないって気づいた。