ボクの神様、ボクの運命 (ページ15)

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じゅうさんページ15

ボクが笑顔でアカネさんにそういうと、アカネさんは目に涙を浮かべていた。

「!?……泣かないでぇ…どうしたの、アカネさん？」

「……ふふ、ありがとう。大丈夫よ。
私も翡翠くんと友達になれてよかったわ」

ボクとアカネさんはカツキの迎えが来るまで2人で話していた。
ボクを迎えに来てくれたカツキは病院のロビーで待っていた。

「カツキ！！」

「おはよう、翡翠。よく眠れたか？」

カツキを見た途端なんだかうれしくなって抱きついた。
ボクが大丈夫だよと言うとカツキは頭を撫でてくれた。
するとアカネさんが両手を背中にまわして近づいてきた。

「翡翠くん、改めて退院おめでとう。
これはオメガの発情期を抑えるための薬。
で、こっちは私からのプレゼントよ。」

「わぁ！きれいなお花……。
アカネさんありがとう…ボク、ボク……幸せ者だ」

プレゼントはきれいな花束だった。
すごく嬉しくって涙が出そうになった。
アカネさんは困った顔をしながら笑ってボクの涙を拭いてくれた。
そして、ボクとカツキは車に乗って家に帰った。

「翡翠、着いたぞ。降りろ。」

車を降りて建物に入っていったカツキを追いかける。

カツキとボクの家はマンションの一番上の部屋だった。
カツキはボクが隣に来るとボクと手をつないでエレベーターに乗った。
エレベーターはぐんぐんと昇っていきポーンという音と一緒に止まった。
ボクはカツキに手を引かれるまま１つの扉の前に立った。

カードで扉を開けたカツキは１人で先に入って行ってしまった。

……おいてかれた？

ボクは急いで扉を開けて入った。
するとカツキは玄関に立っていた。

「…カツキ？」

「何て言うんだ？」

「え？」

「家に帰ったときはなんて言うんだ？翡翠。」

「ぁ……た、ただいま…」

「おかえり。
ボーっと突っ立ってないで早く上がって手洗ってこい。
昼飯にするぞ。」

「…っうん！」

こうしてボクとカツキの生活が始まった。