ボクの神様、ボクの運命 (ページ13)

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じゅういちページ13

昨日ボクを助けてくれたお兄さんはバクゴウカツキさんというんだって。
バクゴウさんはボクに家族になってくれると言ってくれた。
アカネさんみたいにトモダチではなく家族になると言ってくれた。

心がポカポカした。
すごくうれしい。

それになんだか心臓がキュウ…って締め付けられるような感じがする。

「……翡翠？」

ボクは無意識のうちにバクゴウさんの手をつかんでいた。

「…っ、……あり、ありがとうっ…」

ボクは涙を服の袖で拭いた。

「……っボク、宝城翡翠です。
ボクを、バクゴウさんの…か、家族にしてくださいっ！！」

ボクはバクゴウさんの目を見て、今まで出したことないくらいの大きな声で言った。
すると、バクゴウさんは笑ってボクを抱き上げた。

「翡翠、俺と番になる覚悟はあるか？」

真剣な顔で僕を見つめるバクゴウさん。

……かっこいい。
ボクも男だからこれくらい身長も欲しかったし、力も欲しかったな……。

「……バクゴウさんは、ボクが番でいいんですか？」

「…いいに決まってんだろ。
俺たちは運命の番だ。俺の生涯でたった一人の運命。
……それがお前だ、翡翠。」

ボクがバクゴウさんの運命……。
信じられない、嘘みたいだ……

「翡翠、お前はオメガだろう？俺はアルファだ。
オメガは番がいれば発情も今までよりは抑えられる。
そもそも、オメガとアルファが家族になるってことは番になるってことだ。」

「番って、痛いことするんですか……？
ご、ご主人さまも言ってました。
番になれば楽しいことがいっぱいだって…。」

ご主人さまの言う楽しいことはボクが嫌なことばかりだ。
ボクが不安そうに言うと、バクゴウさんはムッとして言った。

「あのクソ女のことは忘れろ。
さっきも言ったが、お前はネフじゃねぇ。宝城翡翠だ。
クソ女はネフのゴシュジンサマであって宝城翡翠のゴシュジンサマじゃねぇ。
それに、俺はお前が嫌がることは絶対にしない。約束する。
……項を噛むのも、お前の心の準備ができてからでいい。」

……こんなにもボクのこと考えてくれるなんて…。

心臓の音が速い。
顔が赤くなっているのがわかる。

「…う、うれし…です。
ボク、ボク……助けなんてもう来ないって…神様はいないって……
いてもボクを愛してないって…思って、た……」