誘惑 ページ20
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『私も言い過ぎました…!
あ、…あの、退いていいですか』
「ん?だーめ」
ふふ、って笑いながらさらに私を抱きしめる。
『わ、わ…!』
「なに、どうしたの?」
後ろから抱きしめられているから表情は見えないけど、
きっと意地悪な顔をしてるにちがいない。
「…ふふ、この前Aが熱出した時、
俺がキスしたの憶えてる?」
『っ、どうしたんですか、急に』
「いいから、憶えてる?」
『…憶えてます、けど…』
さっきからカンタ先輩の息が耳に掛かってくすぐったい。
「ほんと?熱でぼーっとしてたから
もしかしたら憶えてないんじゃないかなって思ってたんだけど」
よかったぁ、って笑うカンタ先輩。
「…ねぇ。」
『ん、なんですか…』
「トミーが帰ってこないうちにさ、」
もっかい、キスする?
『え、…し、しませんっ!』
これ以上カンタ先輩に抱きしめられていたら
心臓が持たないと思って腕の中から抜け出そうとするけど
「んん、なんで逃げるの」
甘い声を出して
また抱きしめるから逃げられない。
『うぅ…カンタ先輩…』
「んは、Aめっちゃドキドキしてる。」
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「ただいまー」
『っ、!』
カンタ先輩が時々出す甘い雰囲気に飲まれそうになったところで、
トミー先輩が帰ってきてようやく離れる事が出来た。
『おかえりなさい!』
「あ、おかえり」
…カンタ先輩って、
なんでいつもはすぐ照れちゃうのに私に意地悪する時はあんなに余裕そうなんだろう…
もしかして、いや、もしかしなくてもからかわれてる?
でもそんなカンタ先輩もかっこいいしなぁ…
「ん?なに、そんな見つめて。」
そんな事を思っていたら彼をじっ、と見つめていたようで。
にやっ、て笑いながら意味ありげな視線を送ってくるカンタ先輩から慌てて目を逸らした。
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なちぼん(プロフ) - 奈々さん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいです…(;;)続編ですか…余裕があれば、頑張りますね!! (2018年10月19日 15時) (レス) id: 1bdc9855ce (このIDを非表示/違反報告)
奈々 - 初めまして!今更ですが、すごくお話が面白ろかったのでコメントさせていただきました!よければ、続編なんかも作ってください!!!これからのご活躍楽しみにしています! (2018年10月12日 14時) (レス) id: de93f1b516 (このIDを非表示/違反報告)
なちぼん(プロフ) - ありがとうございます!嬉しいです(*´v`) 他の作品も頑張ります! (2017年11月24日 18時) (レス) id: 1bdc9855ce (このIDを非表示/違反報告)
なちぼん(プロフ) - 歌月夜さん» ひゃー、ありがとうございます…!!ほんとに長かったですね…笑 完読していただき嬉しいです( ´艸`*) ありがとうございましたー! (2017年11月24日 18時) (レス) id: 1bdc9855ce (このIDを非表示/違反報告)
kiyoyo - 完結お疲れさまでした!おもしろかったです。 (2017年11月24日 16時) (レス) id: 4a89e6eb9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なちぼん | 作成日時:2017年5月8日 20時