新生活１ ページ20
⋆
リィ「＿＿＿、Aよっ！」
その言葉を聞いて、私は走り出す。
ゆく当てもないままに、走っている。
しまいに捕らえられ、地下牢へと連れていかれた。
『出してっ、だしてよぉ、、、』
涙を流しながら必死に訴える。
だが、看守は軽蔑のまなざしを只向けるだけだった。
途端、閃光に包まれる。
その中から伸びてきた手、必死に手を伸ばした。
私が掴もうとした瞬間。
『ｯはぁ、、、夢か』
私は悪夢から覚めた。
お姉さまが夢に出てくる。
何故？
分からない、分かりたくもない。
未だに早い心臓を抑えながら、ドレッサーの前に移動する。
『ふ、ひどい顔』
私の目の下にはうっすらとクマができていた。
悪夢にうなされ睡眠時間が短いのも原因だが、不慣れな書類に取り組んでいることが最大の原因だと思う。
『ふぁ、、、んっ、おはよファズ』
fa「A様、お早うございます」
『んん、ユラはどこ？』
そういうと、クローゼットを開けた。
うん、今日はこれにしよう。
動きやすそうなショート丈のスカートに伸縮性のあるパーカー。
髪はファズが一つに括ってくれた。
fa「ユラは、まだ寝ております」
『…あの野郎…』
fa「それより、朝食の時間は？」
『あ、あと3分しかない』
そのあと、ファズに手を引かれながら食堂に駆け込んだ。
みなに笑われたのは言うまでもない。
＊＊＊
『ふぅ、、、ユラちょっと来て』
ユラ「えぇ？A様だいたーん」
『ん？』
ユラ「はーい、行きます」
ユラと木の下に腰かける。
そよそよと風が吹いている。
ユラ「で、どうしたんですか」
わざわざ呼び出すなんて、とのぞき込んでくる。
橙色の瞳に木漏れ日が差し込んでいてとても絵になる。
吸い込まれそうになりながらも、現に戻ってこれた。
『んんっ、あのね、ユラ。私、実は、あっ、あなたのことが』
好き、と言おうとしたがそれは大声によってかなわなかった。
「ユラ―！ちょっとこっち来てくれへん？」
ユラ「は？なんやねん、、、すいません、なんて言いましたか？」
『…ううん、やっぱなんでもない』
それだけ残して、自分の部屋に帰ってきてしまった。
＊＋＊＋＊
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桜の穂 - しゃみぃさん» ありがとうございます！！更新頑張ります〜！ (2022年12月1日 21時) (
レス) id: f612835adc (このIDを非表示/違反報告)
しゃみぃ - とても面白くて一気読みしちゃいました！！更新頑張って下さい！！ (2022年12月1日 20時) (レス) id: c984097aec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜の穂 | 作者ホームページ：http://towa
作成日時：2022年8月12日 22時
