トラスト ページ47
158cm、38キロ……
この世界では男でも女でも背は高い方が良いとされてるのに、Aが160cmある身長を敢えて低く設定した、その理由の答えを簡単に見つけてしまった。
特別は、もう居たんだ。
最初から。……俺が出逢うよりも、ずっと前から。
「まだ起きてんの？ 」
部屋の扉がノックされた後、俺の返事を待たずしてテヒョンがドアから顔を覗かせた。
スマホで見ていたベッキョンさんのプロフィール特集画面をサッと閉じ、寝返りを打ってドアに背を向ける。
「寝た」
「ふっ、寝てねーじゃん？ 」
「今から寝るんだよ」
「Aが眠れないってさ」
「……知るかよ」
テヒョンが毎晩夜中に部屋を抜け出して、Aのとこに行ってるのは気付いてる。
俺は本気でAに惹かれて、どんどん好きになっていったのに、Aは俺じゃなくても良かったって事だ。
「だってさ〜」
…………ぇ、
見なきゃいいのに体が勝手に反応する。
ドアに振り向くと、テヒョンは後ろを向いていて、そこに……。
「……約束、したのに」
テヒョンを押し避けて前に出て来た Aと視線が重なった。
あの日以来、ずっと避けてきた。
目が合わない様に、話し掛けられない様に、見えない壁を作って。
だけど今は哀しみと怒りが入り混じった様な強い視線に囚われて、目を逸らす事が出来ない。
「わたし、、、嬉しかった。普通は嫌がる様な悪いとこも、ジミンは、なんて事ないって言い切ってくれたから」
「オッパだからって。…………お兄ちゃんで、彼氏でって。わたしが欲しかったもの、どっちも欲しかったもの、、、両方いいんだって嬉しかったのにっ」
自分で言った事を忘れたりなんかしかない。
Aが言う我儘なんて、俺にとっては可愛いだけだ。
だけど、それは、
Aが俺を必要としてるならの話で。
「……側に居てくれるなら俺じゃなくても、……誰でも良かったんだろ？ 」
_________ジミンとは、付き合えないっ
確信に触れると突き放すんだから、
結局俺じゃ駄目だって事だ。
一緒に居て感じたものが、全部嘘だったとは思えない。
俺を好きになろうとしてくれたかもしれない。
特別に想おうと頑張ってたかもしれない。
だけど、無理だったんだろ？
続く (更新停止中)
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作者名：115 | 作成日時：2017年5月4日 8時
