ライアーガール〔愛を失くした嘘つきは〕3 (ページ30)

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真夏の太陽が照りつける暑い暑い日に、6月に撮ったアルコール飲料のCMがオンエア開始となると瞬く間にあの女の子は誰？と話題を掻っ攫った。

そして、その一週間後、
テテと撮ったティーザーが公開されると、その正体が全国民に知れ渡る事に。

見つめ合う2人を横から撮ったカット。
今まで世に出ていたライアにテヒョンがキスした瞬間、ライアの髪が伸び、髪色も変わる。

2人の唇が離れ、画面がライアのアップに切り替わる。

閉じていた目が開かれると薄いグリーンだった筈の瞳が濃褐色に。

それはロボットから人間へと変化する瞬間だった。

話題性抜群で順調な滑り出し。

アーミーからのバッシングを覚悟していたけど、
監督の凝った映像のおかげでキスシーンが生々しいものじゃなく芸術、監督が言ってた神秘的な物として上手く受け取られたらしい。

が、

音楽番組にカムバックすると同時に公開された
ティーザーのメイキングに寄って、わたしはまたも窮地に立たされる羽目になった。

今現在、検索エンジンの上位を占めているワードが

『ライアテヒョン舌』
『テヒョン舌』
『ネコ科カップルキス舌』

あの時、監督もスタッフも気付いてなかったのに、
ばっちりばっちりばっちり、カメラには納められていてテヒョンの舌がわたしの口の中に入った事が大問題になっている。

主にアーミー界隈で。

「あんなの公開するなんて、わたしを抹消させたいとしか考えられない」

「まーまーまー。話題性抜群だろ、売りたいんだよ、お前を」

「だからっ、消したいの間違いでしょーが！」

「まぁ、運悪く大手とカムバ被ったから仕方無いんだって。ほら、挨拶行くぞ」

「…………マネオッパ、お願い。終わってから、ね？ね？」

「なんでだよ」

EXO様に加え少女時代様もいるからに決まってるでしょーが！
人生で会いたくない1位2位が、この場に集結してんだよ！

ってな本音は言える訳ないので、

「今日の第一声は、応援してくれるファンの前で話したいなーって。それに、リハとかあってバタバタしてるし」

「それも、そうだな」

「だよね？ねっ？終わってから行くからさ、絶対、本当に、約束、約束する」

マネオッパの了解を得て、ホッと一安心した時だった。

敵は向こうからやってきたのだ。