ライアーガール〔愛を失くした嘘つきは〕3 (ページ29)

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あんな写真さっさと消しとけば良かったんだ。

そしたらジミンが怒る事も無かったし、わたしが泣く事も無かった。

あんなに好きだったベクよりも、今ジミンに気持ちが向いてるのは自分が1番よく分かってる。

なのにあの日は、ベクが笑ったから。
寂しそうに笑うから。

だから、だから……

閉じ込めてた物が一気に溢れてきて、
幸せだった日々を思い出して、わたしが好きなのは結局ベクなんだって勘違いした。

そう、勘違いだ。

幸せだった時間を証明する最後の一枚がこの世から消えた事よりも、

付き合えないって言ったわたしをジミンが「分かった」と素直に聞き入れた事。

そっちの方が、何倍も悲しかったんだから。