Liar×Liar×Liar

Liar 10 ページ14

ダイキside



圭人の家からやっと帰ってきた。
…涼子絶対泣いてた。


俺だって、痛いよ。
腕も、首も、脚も。
でも一番痛くて苦しいのは俺じゃなくて大貴の方。


いつも限界まで一人で溜め込んで俺に代わる。
俺の頭の中にある記憶は、大貴が抱え込んできた負の感情。


抱え込んで辛くなると大貴はすぐ自分を傷つける。
腕なんかどこまでかきむしったらこうなるんだってなるくらいの傷。


脚にも生傷が絶えない。
また傷が増えてる。
しかも見えない所ばかり。


きっと光と貴久くんに心配かけたくないからだろう。


貴久くんは大貴の父親。
俺は別人格の人間だから｢パパ｣とは呼ばず、｢貴久くん｣と呼ぶ。


でも貴久くんも光も鋭いから多分バレているだろう。
傷痕を隠すためにずっと長袖を着ているのだから。
こんなの、一般人でも分かる。


ねぇ、大貴。
ちゃんと話してみたいよ。
大貴が俺を受け入れてくれたら話せるんだろうけど、なんせ俺は負の感情を押し付けて切り離した存在。



大貴が拒絶した存在。



受け入れられることはない存在。





しばらく項垂れていると、いきなり頭に激痛が走った。





ダイキ｢っ…あ！お前今出てくんな…っ！！！｣





嗚呼、俺は
今日も大貴の力にはなれなかった。

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