19話 ページ20
およそ数十分後にバスは来た。牛島さんは名残惜しそうに手を離そうとしたので、思わず私は強く握り返した。
「…どうした？」
『あ、いや…その……次はいつ会えますか？』
自分の大胆な行動に気付き、視線を泳がせながらそう聞く。牛島さんの温もりが離れてしまうと思うと、止めずにはいられなかった。
「今週の日曜日なら空いている」
『じゃあ、その日に私の家に……』
「家で良いのか？何処か行きたい場所があれば其処で構わないが」
『私の家が良いんです…！牛島さんにハヤシライスを振る舞う絶好の機会ですから』
そう言うと、僅かにだが頬を緩ませ「そういう事なら楽しみにしている」と言って私の頭を撫でて寮へと戻って行く牛島さん。またしても触れられて、脳の理解が追い付かないが、すぐに顔に熱が集まり軽く悶絶状態。
やっぱり今日の牛島さんはいつもよりスキンシップが多い…！というか、こういう事自体が初めてな私にとってはどれも初々しい反応しか出来ない。
かれこれ牛島さんとは3年の付き合いになるのだが、何せお互い初めは好きでもない相手だったので恋愛に付き物な"手を繋ぐ"や"軽いスキンシップ"等は一切無かった。徐々に互いの事を知っていって想いを通じ合えても、やはりそういう事は無かった。それは牛島さんが私のことを大切にしてくれているのか、はたまた単に天然な牛島さんの事だからそういう行動には疎かったのか。……恐らく後者の方だろう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 273人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
火憐(プロフ) - さつきさん» コメントありがとうございます！そう思って頂けると執筆捗ります。頑張ります！ (2020年1月19日 2時) (
レス) id: cb8ead28e5 (このIDを非表示/違反報告)
さつき(プロフ) - 毎回更新楽しみにしてます！続き超待ち遠しいっ！笑これからも頑張ってください！ (2020年1月19日 1時) (レス) id: c03a736259 (このIDを非表示/違反報告)
火憐(プロフ) - 白瀬さん» コメントありがとうございます！執筆頑張ります。 (2020年1月18日 20時) (レス) id: cb8ead28e5 (このIDを非表示/違反報告)
火憐(プロフ) - 月浪カレンさん» コメントありがとうございます！期待に添えられる様、頑張ります。 (2020年1月18日 20時) (レス) id: cb8ead28e5 (このIDを非表示/違反報告)
白瀬(プロフ) - とても良かったです！続きたのしみです！ (2020年1月18日 12時) (レス) id: b2f516fda9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：火憐 | 作成日時：2020年1月17日 22時
