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「人間のくせに一人前に色気づくんじゃない」と少年は猫娘からの牽制を受け、すっかり萎縮してしまった。
「可哀想に…。ありゃトラウマになるな」
「人間の子どもはあぁでもせんと、恐ろしさは分からんじゃろうな」
その様子を遠巻きに見ていたAと、彼女の掌に乗った目玉おやじは呆れたように笑っていた。
「大丈夫かい？」
息を整えた鬼太郎は、依然として猫娘に怯える少年に近づき、声をかけた。
「僕はゲゲゲの鬼太郎。君なら分かるね、何故こんな目に遭ったのか」
「あ、う………」
バツが悪く、丸メガネの少年、白石は居た堪れなくなって鬼太郎から目を逸らす。何も言おうとしない彼の様子に、目玉おやじがAの手の上から声をかけた。
「本当のことを言うんじゃ！」
「めッ！！目玉の化け物ぉお！！？」
見るからに人間ではない姿形をしている目玉おやじに白石は、度肝を抜かれたあまりにひっくり返ってしまった。
「失礼な！わしはこう見えても鬼太郎とこの娘のAの父親じゃぞ」
「おやじ、聞こえてねぇみてーだぞ」
「ん？」
Aの言葉通り目玉おやじは白石を見下ろす。少年は「めっ…、めだま、…めだま…」と戯言をぶつぶつと呟きながら白目を剥いて伸びていた。
＊
所変わって沼のほとりに鬼太郎たちはやってきた。そこは白石をはじめとする少年たちがかつていたずらに倒した石碑があった場所だ。
「どうやら、何の妖気も残ってないようですね。Aも、何か感じるかい？」
「いや、あたしもさっぱり」
妖怪アンテナで隅々まで妖気を探るが、もぬけの殻のようだった。ただ沼の水面がそよ風によって穏やかに揺れるだけである。
「まったく、何てことをしてくれたんじゃ」
目玉おやじは半分以上沼に浸かりかかっている石碑の上に乗り、水の中を見て調べている。
「ごめんなさい。僕止めたんだ。でも皆が…」
「父さん、何か分かりましたか？」
鬼太郎に促され、目玉おやじがより深く水の中を見ようと身を屈めたそのときだった。
「んー、うわぁッ！？」
目玉おやじは身を滑らせ水の中へと落ちてしまった。
「父さん！大丈夫ですか！」
目玉おやじの呼吸と共にぶくぶくと泡が出ては消え、鬼太郎とAはヒヤリとした。しかし、その心配は杞憂に終わり、目玉おやじはすぐに水面へと浮上した。何やら古びた札と共に。
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瑠璃 - 新しい話読ませてもらいました！この小説の夢主の性格が他の夢主と違う所がすごく好きです！無理せずマイペースにこれからも頑張って下さい(*^^*) (4月5日 12時) (
レス) id: 2399b502ed (このIDを非表示/違反報告)
はなこ(プロフ) - 瑠璃さん» ありがとうございます！まさか読んでくださる方がいると思っていなかったため、とても嬉しいです。マイペースに頑張ります！ (4月4日 11時) (レス) id: 6d88c11cf9 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 今まで読んだ5期の夢小説の中で、一番好きです！これからも応援しています！ (4月4日 11時) (レス) @page29 id: 2399b502ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はなこ | 作成日時：2024年3月28日 1時
