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猫娘からの報告を受け、学校帰りの小学生が多い時間帯に鬼太郎と目玉おやじ、加えて猫娘とAは渦中の妖怪を探しに出ていた。
「どうだ?妖怪アンテナは」
「微かに妖気を感じるが、何かに紛れて追いきれない」
「猫たちが言ってた通り、この街の範囲で妖怪が出たのは確かなんだけど…」
「ね?」と猫娘は友達の黒猫のクロを見、それに対してクロも「ニャー」と愛らしく鳴いて見せた。
人混みや反対に人通りが少ない場所を探しているが、一向に有力な手掛かりは見つけられず難航していた。
「何かに紛れてる、ねぇ…ん?なぁ、鬼太郎」
「何だい?」
ふとAが目線を下に向ける。それを見た鬼太郎と猫娘もつられて目線を追う。彼女が目線で示した場所は、何の変哲もないただの側溝だった。
「その側溝の水から、妙な気配を感じる…!」
「何だって!?」
「え、こんなところに!?」
鬼太郎のように妖怪アンテナは無いが、Aの第六感が警鐘を鳴らしているのだ。
Aの台詞に鬼太郎と猫娘が目を見張った。彼女は古より海や水を司る竜の一族をルーツにもつ西洋妖怪だ。水の異変や微かな妖気を感じ取ってもおかしくはない。
コンクリート製の蓋に覆われた側溝の中、不自然なほど妙に勢い良く流れる水に、彼女の予想が確信に変わった。
「何かに向かって水と一緒に移動してるんだ!それが探してる妖怪かもしれねぇ!」
「ッ追うぞ!」
「分かったわ!」
「あっちだ!」とAが指し示すまま、一同は走って妖怪がいる方へ向かった。
「うわあああ!た、助けてー!!誰か!誰か助けてええ!!」
Aの第六感は的中し、追いかけた先でやはり少年が藻と水が混ざった妖怪の触手によって側溝に引き摺り込まれそうになっていた。
側溝に飲み込まれる寸前で、鬼太郎は少年の腕を掴み、引っ張り上げた。すかさず鬼太郎はコンクリートの蓋を開け、妖怪に向かって攻撃をする。
「髪の毛針!!!!」
無数の鋭い毛針に妖怪が怯んだ隙を突き、鬼太郎は少年の身体を側溝から引き摺りあげた。地面にべしゃりと投げ出された少年を猫娘とAが保護する。
「大丈夫?」
「おいガキンチョ!しっかりしろ!」
しかし、鬼太郎は少年の代わりになるような形で触手を体に巻きつけられ、側溝へと飲み込まれてしまった。
「鬼太郎!!」
「クソッ!」
少年を猫娘と目玉おやじたちに預け、Aが鬼太郎の援護に向かおうとした矢先だった。
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瑠璃 - 新しい話読ませてもらいました!この小説の夢主の性格が他の夢主と違う所がすごく好きです!無理せずマイペースにこれからも頑張って下さい(*^^*) (4月5日 12時) (レス) id: 2399b502ed (このIDを非表示/違反報告)
はなこ(プロフ) - 瑠璃さん» ありがとうございます!まさか読んでくださる方がいると思っていなかったため、とても嬉しいです。マイペースに頑張ります! (4月4日 11時) (レス) id: 6d88c11cf9 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 今まで読んだ5期の夢小説の中で、一番好きです!これからも応援しています! (4月4日 11時) (レス) @page29 id: 2399b502ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はなこ | 作成日時:2024年3月28日 1時