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「______さん、Aさん」
「………んぁ?」

 自分を呼ぶ声と、揺さぶられる感覚にAの意識が浮上する。彼女が目を覚ますと、小夜子が心配そうに眉を下げながらこちらを見下ろしていた。

「気分はどうです?」
「っ、悪ぃ!寝ちまってた!」

 Aの意識が完全に覚醒すると、慌てて椅子から飛び起きた。バッと小夜子の方を勢いよく見るが、特に彼女に異変は感じられない。

「な、何とも無かったか…?」
「えぇ、大丈夫ですよ」
「ほんっっとにすまねぇ!アンタを守るはずが、眠りこけちまうなんて…!」
「随分深夜ですもの。疲れが出るのも無理ありませんよ」

 必死にAは謝るが、対する小夜子は特に気にした様子を見せず、優しく微笑むだけだった。釈然としない何かを感じていると、下の階から「A〜、けぇるぞー」とねずみ男の間延びした声が聞こえてきた。どうやらあちらも終わったのだろう。

 Aは椅子から立ち上がり、合流しようと一歩を踏み出した。

「………?」
「Aさん?どうしました?」
「いや、…」

 身体がやけに重く感じる。まるで大きな錘に繋がれているようだ。いや、きっと熟睡したせいであろう。Aは気にしないフリをして階段を降り、鬼太郎たちと合流した。



 翌朝、鬼太郎たちは昨夜の結果報告を佐竹に行った。
 夜叉本体とその宿主を取り逃したが、奴によって奪われた10人の魂は無事返すことができたとのことだった。しかし佐竹は現実離れしたその話を受け入れられていない様子だった。

「そんな話信じられませんな!」
「でも事実です。10人の魂は取り返しました」
「たましい…?」

 メディアでは仮死状態とされていたため、人間の佐竹には魂について話しても納得がいかなかった。あまりにも信じない彼をよそに、目玉おやじは「鬼太郎!」と鬼太郎の髪の毛から姿を現した。
 突然現れた目玉おやじに、佐竹は堪らず大声を上げて驚愕する。

「大好きな相手を独り占めしたいと願う歪んだ心が夜叉生んだんじゃろう」
「そうなのか?」

 目玉おやじとAが平然と話している傍らで、震えながら佐竹は説明を求めるように猫娘たちを見た。

「な、なんですか…!その目玉のお化けは…!?」
「鬼太郎とAのおやじさんよ?」

 正確には鬼太郎の実父でAの親代わりだが。細かいことは省くとする。佐竹は猫娘の説明にすっかり萎縮してしまった。

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瑠璃 - 新しい話読ませてもらいました!この小説の夢主の性格が他の夢主と違う所がすごく好きです!無理せずマイペースにこれからも頑張って下さい(*^^*) (4月5日 12時) (レス) id: 2399b502ed (このIDを非表示/違反報告)
はなこ(プロフ) - 瑠璃さん» ありがとうございます!まさか読んでくださる方がいると思っていなかったため、とても嬉しいです。マイペースに頑張ります! (4月4日 11時) (レス) id: 6d88c11cf9 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 今まで読んだ5期の夢小説の中で、一番好きです!これからも応援しています! (4月4日 11時) (レス) @page29 id: 2399b502ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はなこ | 作成日時:2024年3月28日 1時

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