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「今夜からは僕らが外で見張ります。小夜子さんはいつも通り、練習を」
鬼太郎の提案に小夜子は怯えつつもコクリと頷いた。
夜間にかけて行われる小夜子の身辺警護が決まり、鬼太郎・A・猫娘がそれぞれどうするか作戦会議をしている陰で、ねずみ男はどさくさに紛れて佐竹からその手数料として数万円を頂いていた。
「やけに機嫌がいいな、ねずみ男」
「ギク…ッ！や、ヤだなぁ〜Aちゃん、気のせいよ、気のせい」
久々の収入に懐が温まったねずみ男はご機嫌な様子でニコニコと笑う。Aが不審に思い声を掛けるが、彼はなんとか笑って誤魔化した。
そして夜が来た。鬼太郎・猫娘・ねずみ男は外を警護し、Aは一人小夜子本人の警護を担っていた。
「ごめんなさいね、こんな夜まで付き合わせちゃって」
ヴァイオリンを片手に譜面台の前に立った小夜子が、申し訳なさそうにAの方へと振り返る。Aは小夜子の後ろで椅子に座り、そんな彼女に向かってゆるく笑った。
「いや、気にしなさんな。それに、こんな間近で天才ヴァイオリニストの生演奏を聴けるんだ。悪いことばっかじゃねーさ」
事件が事件のため、これは必要なことだとAは割り切っていた。それに、こんな状況ではあるが、小夜子の生演奏も冗談抜きで楽しみにしているところもある。
「………、天才なんかじゃないわ、私」
Aの言葉に小夜子の顔に翳りが生じる。その表情は暗い悲しみを思わせるような何かがあった。
「え？それってどういう…」
「ふふ、何でもないわ！練習曲だけど、素敵なボディガードさんのために頑張らなきゃね」
小夜子は一瞬で表情をパッと明るくさせると、Aに向かって可愛らしくウインクをした。
Aはその変わり身の早さに呆気に取られたが、彼女に応えるように「そうだな。頼むぜ、大先生」と笑った。
小夜子がヴァイオリンを構える。その後ろ姿は先程の可愛らしさは消え、厳かな雰囲気を纏っている。背中越しに伝わる緊張感にAが息を呑むと、彼女の演奏が始まった。
力強い弦の音色の中には、どこか気品や華やかさが感じられる。評判通りの素晴らしい演奏にAが聞き惚れていると、彼女の体に徐々に異変が生じる。
「(なんだ、急に眠気が…)」
心が惹きつけられるはずなのに、意識が朧げになる。不思議なまでに感じる眠気に、Aは耐えきれず意識を手放した。
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瑠璃 - 新しい話読ませてもらいました！この小説の夢主の性格が他の夢主と違う所がすごく好きです！無理せずマイペースにこれからも頑張って下さい(*^^*) (4月5日 12時) (
レス) id: 2399b502ed (このIDを非表示/違反報告)
はなこ(プロフ) - 瑠璃さん» ありがとうございます！まさか読んでくださる方がいると思っていなかったため、とても嬉しいです。マイペースに頑張ります！ (4月4日 11時) (レス) id: 6d88c11cf9 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 今まで読んだ5期の夢小説の中で、一番好きです！これからも応援しています！ (4月4日 11時) (レス) @page29 id: 2399b502ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はなこ | 作成日時：2024年3月28日 1時
