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地面に落とされた先で、顔に無数の引っ掻き傷を提げたねずみ男は「俺は態々貴重な情報を持って来たんぜ…」と涙ながらに言うものだから、鬼太郎たちは放っておけるはずもなく、彼を家に入れた。
「なんじゃ！貴重な情報とは？」
「被害者には、ある共通点がある」
ねずみ男は改まってそう切り出し、ちゃぶ台の上に置いてあった茶碗に口をつけた。しかし、その中身は先ほどまで目玉おやじが浸かっていたコーヒー風呂(カフェオレver.)である。ねずみ男はコーヒーの異変に気づくと瞬時にそれを吐き出した。
「ぶふーッ！！うぇ、なんだ、このコーヒーは…！目玉のおやじの匂いがするぞ？」
「すげーなお前、探偵になれるぜ」
「なんで？」
Aが言ったことに対して何の話か分からなかったねずみ男が頭にハテナを浮かべる。彼がどういう意味だと聞き返そうとしたが、目玉おやじが「つべこべ言ってないで、早く教えんか！」と急かす。
「タダって訳には…」
暗に金を要求しようとしたが、それを察知した猫娘が目を金色に光らせねずみ男に襲いかかる。玄関で起きたことの二の舞になる前にねずみ男は「言うから止めろよ！」とその攻撃を慌てて交わし、すぐに口を割った。
「はぁ…、被害者は全員月野小夜子のファンだったんだよ」
「月野小夜子？」
「誰だそれ」
初めて聞くその美しい名前に、鬼太郎とAは顔を見合わせ首を傾げた。
「百聞は一見に如かずだ。どれ、ちょっくら来てみな！」
ねずみ男はニヤリと笑うと、立ち上がった。
＊
ねずみ男に連れてこられたのはとある街中にあるCDショップだった。そこ以外にはシャッターがしまった店がちらほらはあるが、不思議なことにCDショップの前だけには長蛇の列ができていた。
「今日は月野小夜子の新作ＣＤの発売日だ」
「すごい人気だな」
並ぶ者も皆真剣な顔つきで自分の番を今か今かと待っている。人間たちの熱意に圧倒されていると、ねずみ男はまるで自分ごとのように月野小夜子について説明する。
「突如彗星の如く現れわずか17歳で数々のコンクールを総嘗めにした天才美人ヴァイオリニスト！しかも、今回の事件が噂になり彼女の人気は更に突沸した！」
「どうして？」と猫娘が不思議そうな顔をして聞く。
「それがファン心理ってものさ！彼女の清純な美しさと来たら男心を迷わせる！」
「ほら！」とねずみ男が指差す方向には、何やら男性ファン二人が列の間で揉め事を起こしていた。
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瑠璃 - 新しい話読ませてもらいました！この小説の夢主の性格が他の夢主と違う所がすごく好きです！無理せずマイペースにこれからも頑張って下さい(*^^*) (4月5日 12時) (
レス) id: 2399b502ed (このIDを非表示/違反報告)
はなこ(プロフ) - 瑠璃さん» ありがとうございます！まさか読んでくださる方がいると思っていなかったため、とても嬉しいです。マイペースに頑張ります！ (4月4日 11時) (レス) id: 6d88c11cf9 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 今まで読んだ5期の夢小説の中で、一番好きです！これからも応援しています！ (4月4日 11時) (レス) @page29 id: 2399b502ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はなこ | 作成日時：2024年3月28日 1時
