妖しき旋律！夜叉 ページ34
「コーヒー風呂ぉ！？」
「なんじゃ知らんのか？コーヒーに含まれるカフェインは頭もすっきりさせるし、ポリフェノールの抗酸化作用は血管の病気の予防にもいいんじゃぞ」
「飲んだらの話だろ？それ…」
Aは鬼太郎にコーヒーの粉を少し分けてほしいと言われ、目玉おやじが飲むのかと思った。親切心でご丁寧に瓶牛乳をも彼の家に持参したらこの通りである。
Aが持参したのは少しお高めの品質がいいコーヒーの粉であったため、風呂にするのは少し憚れた。
「鬼太郎、普通に飲んだ方が美味いって…」
「えぇ？風呂にするのは嫌なのかい？」
「や、イヤっつーか、なんつーかさァ…」
Aは鬼太郎に同意を求めようとしたが、コーヒーなどを嗜まない彼には残念ながらいまいちピンときていなかった。彼女が渋っていると、目玉おやじが「何を話しておるんじゃ？早くしてくれ」と促す。
「はぁ…、わかったよ」
「おぉ、湯を継ぎ足すためのミルクも頼むぞ」
飲んでもらうために持ってきたのに、なんて言葉を呑み込み、Aは渋々目玉おやじへコーヒー風呂を作ってやった。瓶牛乳は鍋に湯を張って湯煎で熱めに温める。
出来上がったコーヒー風呂に浸かり、目玉おやじはご機嫌だった。
「父さん、湯加減はどうですか？」
「ん〜、コーヒー風呂もオツなもんじゃのぅ。鬼太郎！ミルクを足してくれんか？」
「はい！」
鬼太郎が湯から取り出した温かい牛乳を風呂に足す。牛乳が加わったことでカフェオレのような風呂へと変わった。Aが溜め息をつきながらそれを見ていると、「鬼太郎〜！大変よ大変！」と猫娘が慌てた様子で入ってきた。
「大事件よ！」
猫娘のその片手には、新聞が握られていた。
彼女が床に座り、新聞を広げて記事を見せる。「ここ！」と指し示すところには、奇妙な見出しが書かれていた。
「原因不明の怪病？」
「伝染病とかそういう類じゃねぇのか？」
「違うわ！見て！」
記事をよく読み込むと、どうやらウイルス等の感染症の類ではないようだ。さらに猫娘は続ける。
「ここ一ヶ月で、少なくても10人の人間が仮死状態で発見された。皆、まるで、魂を抜かれたみたいで、どこの病院も完全にお手挙げ。当然よね！原因は妖怪なんだから！」
人々に病をもたらし死に至らしめる妖怪はいくつかいるが、猫娘の言葉はまるでその正体を知っているかのような口ぶりだった。
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瑠璃 - 新しい話読ませてもらいました！この小説の夢主の性格が他の夢主と違う所がすごく好きです！無理せずマイペースにこれからも頑張って下さい(*^^*) (4月5日 12時) (
レス) id: 2399b502ed (このIDを非表示/違反報告)
はなこ(プロフ) - 瑠璃さん» ありがとうございます！まさか読んでくださる方がいると思っていなかったため、とても嬉しいです。マイペースに頑張ります！ (4月4日 11時) (レス) id: 6d88c11cf9 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 今まで読んだ5期の夢小説の中で、一番好きです！これからも応援しています！ (4月4日 11時) (レス) @page29 id: 2399b502ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はなこ | 作成日時：2024年3月28日 1時
