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"そうか…、貴様はあの幽霊族の末裔…。不死身なわけよな"
後ろから倒したはずのがしゃどくろの声がし、鬼太郎たちは振り返る。背後にあるのはがしゃどくろだった骨たち。どうやら彼にはもう戦う意志はないのか、再び身体を元通りにすることはなかった。声も心なしか穏やさを含んでいる。
「それはお互い様だろ？がしゃどくろ」
鬼太郎もがしゃどくろに向けて軽く笑った。
“竜の娘よ”
「あ？」
名前こそは呼ばれかったが、もしかしなくてもAを指しているのだろう。まさか自分もがしゃどくろに話し掛けられるとは思わず、Aは素っ頓狂な声を上げた。
“わしに立ち向むかんとするその勇ましさ、中々に骨がある。見事だったぞ”
「そりゃどーも」
意外なお褒めの言葉にAは肩を竦めて礼を言った。
「がしゃどくろ、何百年になるか分からないけど、もう一度ゆっくり眠ってくれないか？人間もきっと懲りたはずだ」
"うむ…、今は、眠るとしよう…”
鬼太郎の頼みを受け入れ、がしゃどくろは言い終わると同時にその身の骨がひとりでに砕け散った。残骸からはビルの人間たちのと思わしき生気たちが出ていく。
「終わったな、これで」
「あぁ」
生気たちは無事元の肉体に戻っていき、事件は幕を閉じたのだった。
＊
妖怪横丁に流れる川の橋の上にAは腰掛け、とある雑誌を読んでいた。
「A、何見てるんだぁ？」
「よっ、かわうそ。これだよ」
川を泳いでいたかわうそが橋に上がるとAに声を掛ける。彼女は薄く笑いながら彼にその雑誌を見せた。
「なんだコレ…」
そこには、『深夜に動くビルの影！！』という見出しでピースサインをしたねずみ男がでかでかとページの一面を飾っていた。どうやら先日のがしゃどくろの事件を鬼太郎たちではなく自分の手柄としてメディアに売り込んだらしい。自称ではあるが、『妖怪博士』とまで書かれている。
厚顔無恥なその様子に、かわうそはドン引きしたような表情を浮かべた。
「アイツ転んでもタダじゃ起きねぇな……」
「はは、そうだな。ねずみ男にゃいつも負けるよ」
Aはおもむろに立ち上がると、雑誌を片手に横丁の商店街へと足を向ける。
「どうだいかわうそ、小豆洗いのまんじゅうでも食いに行くか？」
「買ってくれるのかぁ！？」
「いいぜ」
嬉々とした様子のかわうそとAは、小豆洗いの店へと向かっていったのだった。
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瑠璃 - 新しい話読ませてもらいました！この小説の夢主の性格が他の夢主と違う所がすごく好きです！無理せずマイペースにこれからも頑張って下さい(*^^*) (4月5日 12時) (
レス) id: 2399b502ed (このIDを非表示/違反報告)
はなこ(プロフ) - 瑠璃さん» ありがとうございます！まさか読んでくださる方がいると思っていなかったため、とても嬉しいです。マイペースに頑張ります！ (4月4日 11時) (レス) id: 6d88c11cf9 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 今まで読んだ5期の夢小説の中で、一番好きです！これからも応援しています！ (4月4日 11時) (レス) @page29 id: 2399b502ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はなこ | 作成日時：2024年3月28日 1時
