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ページ24

「変われば変わるもんじゃ…」

 砂かけ婆と猫娘がねずみ男とAのやり取りを呆れながら見る。Aにプロポーズなど、悪友としてつるんでいた以前の彼からは考えられない行動だ。
 見た目だけでなく中身の変わりように二人は溜め息をついていると、ふと妙な匂いが猫娘の鼻腔を掠める。

「そういえば…」

 ねずみ男が来てから微かに漂っていた香り。猫娘は鼻をすんすんと鳴らしながらそれを嗅ぐと、鼻を突くようなその匂いの正体に驚愕した。


「なにッ!?この品のない匂い!!」

 正体はねずみ男が自身にかけていたオーデコロンの匂いだった。そばにいたAや鬼太郎には微かに香ってくるだけだったが、猫娘は嗅覚が鋭いため、自覚した途端その強烈な匂いに目を涙で潤ませた。

「この匂いヤダーーーー!!!!」

 とうとう耐えきれず、たまらず猫娘は一目散に走ってねずみ男から逃げ出した。

「あっ、猫娘!」
「あらあら!我が生涯の敵も逃げたしたか!
「うぇ、ちゃんと嗅ぐととたしかに独特な匂いだな…」

 オーデコロンを見せつけるように取り出し、逃げた猫娘を高らかに嘲笑うねずみ男の横で、Aは彼の匂いをもう一度よく嗅いで顔を顰めた。
 ねずみ男はついでと言わんばかりにオーデコロンをAに向かってワンプッシュかけてやる。ぶわりと襲ってくるスパイスやウッディの香料をぐちゃぐちゃにしたような強烈な香り。そのオリエンタルな匂いに身体が受けつけず、思わずAは咳き込んでしまった。

「うっ、ゲホッ!!ッおい…何すんだよ…!」
「こらねずみ男!Aが嫌がってるじゃないか!」

 嗜好で身につけるならまだ見過ごせるが、それを嫌がる者にわざと直接仕向けるのは許されない。先ほどの軽薄なプロポーズの出来事も相まって、鬼太郎は眉を吊り上げねずみ男に抗議するが、彼は全く気にしていない様子だった。

「Aには分かんねぇかなァ、この上品なオーデコロンの良さがよぉ。ま!貧乏妖怪には合わねぇよな!」

 その傲岸無礼なさまに、Aは呆れて言い返す気も殴り飛ばす気も起きなかった。


「A、大丈夫かい」
「っ、あぁ。なぁ鬼太郎、あたし臭いか?鼻が馬鹿になってて分からねぇんだ」

 匂いに包まれ鼻が慣れたせいで、Aはどのくらいの香りの濃さが残っているのか自分では分からなくなった。

「うん、ちょっとね」
「はぁ、テンション下がるぜ…」

 苦笑して答える鬼太郎に、Aはがっくりと肩を落とした。

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瑠璃 - 新しい話読ませてもらいました!この小説の夢主の性格が他の夢主と違う所がすごく好きです!無理せずマイペースにこれからも頑張って下さい(*^^*) (4月5日 12時) (レス) id: 2399b502ed (このIDを非表示/違反報告)
はなこ(プロフ) - 瑠璃さん» ありがとうございます!まさか読んでくださる方がいると思っていなかったため、とても嬉しいです。マイペースに頑張ります! (4月4日 11時) (レス) id: 6d88c11cf9 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 今まで読んだ5期の夢小説の中で、一番好きです!これからも応援しています! (4月4日 11時) (レス) @page29 id: 2399b502ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はなこ | 作成日時:2024年3月28日 1時

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