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鬼太郎の何気ない発言にショックと怒りを覚える猫娘をよそに、目玉おやじはAへと視線を移した。

「ふうむ、Aもいずれ嫁にいくのか…。寂しくなるのぅ」
「えぇ?Aがですか?想像できないですよ」
「分かんねぇぜ?とんでもないイケメン妖怪をゲットするかもしれねぇしな」

 自信ありげに言うAに、鬼太郎もまた嫁に行った未来の彼女を想像する。上品に白無垢をその身に纏い、今よりも大人びた彼女の姿。その隣にはまだ見ぬ男。そこまで想像して、鬼太郎は首を横に振った。
 
「もしそうなったら、相手の男の正気を疑うよ」
「ったく、ひっでぇ言い草だぜ」
「お嫁にいったとして、がさつなお前と暮らして幻滅しないのは僕ぐらいだよ」

 嫁にいけないのではなく、いかないでほしいという本心をAに伝えるのは何故か憚れた。
 鬼太郎にとって幼少の頃より共に過ごしてきた彼女はいつも自分の隣にいることが当たり前になっていた。目玉おやじも彼女を娘として可愛がっている。妖怪は不死身にほぼ等しい。だからこそ、永遠に変わらず今の平穏な暮らしを続けていけるならば、鬼太郎は多くを望まないつもりでいた。
 
 家族ではあるが、兄妹ではない。兄妹ではないが、友達ではない。関係性に名前はつかずとも、ただ、Aが隣にいてくれればそれで良かった。

「じゃ、鬼太郎みてぇないい男を捕まえなきゃな」

 こちらの気も知らずに言ってのける彼女。

「……なら、」

 鬼太郎が言葉を続けようとしたその時のことだった。

「鬼太郎!!」

 外の方から砂かけ婆の慌てたような声が聞こえてきた。
 鬼太郎たちも玄関の方へ出て顔を出して、彼女に声を掛ける。

「たたたっ、大変じゃ!鬼太郎!」
「どうしたんだい、おばば?」
「アイツが!ねずみ男のやつが横丁にやってきおった!」
「ねずみ男が?」
「どうせ、鬼太郎やAたちに取り入って、またインチキ臭い儲け話をまとめようとしてるに決まってるわ」

 普段のねずみ男の行いによって猫娘は呆れたように言う。しかし砂かけ婆の様子を見るからに、どうやらその類ではなさそうだ。

「それがのぅ…____」


 砂かけ婆の話を聞いた鬼太郎たちは妖怪横丁へ出向いた。

 そこにはいつもの辛子色の襤褸布を纏った格好ではなく、なんと、光沢がある高級そうなスーツに身を包んだいかにも金持ちですといったような格好のねずみ男がいた。加えて、彼の背後には外国産の高級車が佇んでいた。

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瑠璃 - 新しい話読ませてもらいました!この小説の夢主の性格が他の夢主と違う所がすごく好きです!無理せずマイペースにこれからも頑張って下さい(*^^*) (4月5日 12時) (レス) id: 2399b502ed (このIDを非表示/違反報告)
はなこ(プロフ) - 瑠璃さん» ありがとうございます!まさか読んでくださる方がいると思っていなかったため、とても嬉しいです。マイペースに頑張ります! (4月4日 11時) (レス) id: 6d88c11cf9 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 今まで読んだ5期の夢小説の中で、一番好きです!これからも応援しています! (4月4日 11時) (レス) @page29 id: 2399b502ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はなこ | 作成日時:2024年3月28日 1時

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