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「ひっく、ぅうぅ…！！」
「なっ…！？」
「ちがうって、ひぅっ、ぅ、ゆってるのにぃい…！！どうして意地悪するんだよお〜！」
「い、いじわるって…」
「どうして、ぐずっ、みんな、仲間外れにするの…？うぅっ、ん、ふ、あたし、なにも悪いこと、してないのに…！」
涙が次々と溢れる双眸は潤み、Aがいくら拭っても止むことはない。まるで大粒の雨のようだ。
涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった彼女の顔は、幼いながらにまさしく悲痛そのものである。
「ひっく、うっ、ぐす、どーせ、あんたもあたしを除け者にするんだろ！うぅっ、もういやだっ、どこにいても、ずっと、邪魔者あつかい、ひっく、一生独りぼっちはやだよぉ…、うわぁあん！」
「あ、ご、ごめんよ…！泣かせるつもりは無かったんだ…」
オロオロする鬼太郎をよそに、Aは一向に泣き止まない。
それもそのはず。彼女は今まで何処にいても爪弾きにされ、厄介者として扱われてきたのだから。
純血を重んじる彼女の一族は、他の妖怪ましてや人間と交わることを禁忌としていた。その禁忌を破った母から産まれた子どもがAである。
彼女が力を持たないただの子どもならまだ居場所はあった。しかし、不幸なことに一族の誰よりもAはその身に強大な妖力を宿しており、そしてその妖力はいずれ一族を滅ぼすということを族長が予言した。
要らぬ芽を間引かなくては、より強固な繁栄は齎されない。そんな大義名分のもと、幼いAは母親諸共一族から消されるはずだった。
しかし、母親がその命と引き換えに彼女を故郷から逃した。命からがら逃げ仰たはいいものの、幼いながらにAは天涯孤独となった。
幸い見た目は人間の子どもとさほど変わらない。人間の子供になりすましながら、宛ても無く彷徨い、時にはその国に住む人間や妖怪に追われながら、国々を転々とし、そして、行き着いた先がこの日本である。
大らかな海に囲まれた島国である日本に棲む妖怪たちとなら穏やかに暮らせるとAは考えていたが、彼女が西洋妖怪と知るや否や、恐れをなしたり敵意をもったりするなどして関わりを止める者が後を絶たなかった。
それがいずれ流言飛語となって、鬼太郎が目玉おやじから聞いた彼女の悪評に繋がったのだ。
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瑠璃 - 新しい話読ませてもらいました！この小説の夢主の性格が他の夢主と違う所がすごく好きです！無理せずマイペースにこれからも頑張って下さい(*^^*) (4月5日 12時) (
レス) id: 2399b502ed (このIDを非表示/違反報告)
はなこ(プロフ) - 瑠璃さん» ありがとうございます！まさか読んでくださる方がいると思っていなかったため、とても嬉しいです。マイペースに頑張ります！ (4月4日 11時) (レス) id: 6d88c11cf9 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 今まで読んだ5期の夢小説の中で、一番好きです！これからも応援しています！ (4月4日 11時) (レス) @page29 id: 2399b502ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はなこ | 作成日時：2024年3月28日 1時
