ビビビ！！ねずみ男！ ページ20
うららかな日差しの中、人間界の商店街付近。人通りが多いそのスポットでAはパチンコ店のティッシュ配りのアルバイトに勤しんでいた。ちなみに、人間界での彼女の名前は「竜田A」である。
「新台入れ替えやってるよ〜！そこのおっちゃん、気分転換にどうだい？」
ティッシュが大量に入ったカゴを片手に、Aは道ゆく中年男性に声を掛ける。よれたTシャツに五分丈のズボンというラフな格好をした彼はカップ酒を手にしており、酔っ払っているのか顔が赤い。
「ケッ！何が新台だ！どうせハズレだろ、下らねえ！」
彼はAからティッシュを受け取ったが、悪態をついてそれを地面に叩きつけた。
「あ！おい！ティッシュだって立派な資源なんだぞ！」
「昼間っからこんな仕事してるんじゃこの先生きていけねーぜネエちゃん！ガッハッハ！」
Aは怒って男に抗議するが、彼は気にせず意地悪く笑い飛ばしてその場を去っていった。
彼女は落とされたティシュを拾い上げると、唇を尖らせてボヤく。
「アンタより何十年も長く生きてるっての」
この数十年で、モノを大切にしようとしない人間が随分と増えた。これも時代の移ろいなのだろうか、などと思っていると背後から「あら、Aじゃない」と声をかけられた。
「猫娘！」
振り返れば猫娘がいた。彼女は白のジャケットにレザーのトップスとミニスカートを身につけていた。腹部が惜しげもなく顕になった彼女の服装はとてもセクシーな印象を与える。
「ティッシュ配りしてるのね、って…、まだまだ残ってるじゃない」
「なかなか受け取ってもらえねぇモンだな。はーあ、ノルマが終わらねぇぜ…」
日雇いのアルバイトでノルマがあるため、あと何時間かかるものかとAは溜め息をつく。この調子だと夜まで掛かりそうだ。
「それ、全部もらってあげるわよ」
「え…！？マジか！」
「その代わり、私のショッピングに付き合って！」
「おう！いいぜ」
「じゃあ決まり！」
猫娘は嬉々としてカゴの中にあった大量のポケットティッシュを自身のバッグに詰め込む。幸い持っていたのが大きめのバッグのため何とか全てを詰め込むことができた。
Aは猫娘にお礼を言うと、パチンコ店にひとまず戻ってアルバイト料を受け取り退勤する。
「恩に着るぜ、猫娘」
「困った時はお互い様よ」
フリーになった二人が商店街を歩いていると、ふと、数メートル先で書店に入る鬼太郎が見えた。
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瑠璃 - 新しい話読ませてもらいました！この小説の夢主の性格が他の夢主と違う所がすごく好きです！無理せずマイペースにこれからも頑張って下さい(*^^*) (4月5日 12時) (
レス) id: 2399b502ed (このIDを非表示/違反報告)
はなこ(プロフ) - 瑠璃さん» ありがとうございます！まさか読んでくださる方がいると思っていなかったため、とても嬉しいです。マイペースに頑張ります！ (4月4日 11時) (レス) id: 6d88c11cf9 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 今まで読んだ5期の夢小説の中で、一番好きです！これからも応援しています！ (4月4日 11時) (レス) @page29 id: 2399b502ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はなこ | 作成日時：2024年3月28日 1時
