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「ふぅ、これで一安心じゃ」

 目玉おやじが水虎封印の札を例の石に貼り、今度こそひと段落がついた。一同も安堵の表情を浮かべる。

「突然雨が降り出した時はどうなるかと思いました」
「あたしも飲み込まれた時はヒヤッとしたぜ」

 妖怪騒動からようやく心を落ち着かせることができた白石は、念には念をと鬼太郎に尋ねた。

「あの、鬼太郎さん、水虎は?」
「水虎はこの中に眠っておる。もう大丈夫じゃ」
「あとは、これを元の沼に返し、壊れた塚を元に戻せばいい」
「ちゃんと自分達でやるのよ!」

 猫娘が目を釣り上げて釘を刺す。白石は彼女に慣れたのか、はたまたこれを機に反省したのか、その目には怯えは無く、誠実さが見て取れる。

「は、はい。ちゃんとします!僕たちみんなで」
「え…!?」

 白石の後ろで所在なげに蹲っている少年のうちの一人の黒田は、まさか自分たちも塚の修復メンバーに含まれていると思わず驚いたように顔を上げた。

「ちょっと!」

 一反もめんがしゅるりと彼らたちのもとへ飛び、睨みを効かせる。妖怪の一反もめんの姿に、黒田を含めた少年三人は怯えた表情を浮かべた。

「ひょ、ひょっとして妖怪…!?」

 妖怪や祟りなどの存在を馬鹿にしていた彼には、十分すぎる衝撃だった。

「分かってるよね。今回のことは君たちが原因だ」

 驚く暇も与えず、鬼太郎たちは黒田たちに近づき圧を与える。

「ほ、ほんの悪ふざけのつもりだったんだよ!」
「悪ふざけ?」

 反省が感じられないその言葉に鬼太郎たちの目線が鋭くなるが、黒田は弁解に必死で気がついていない。

「そ、そう、ストレス解消!遊びだよ!遊び!な?な!?」

 黒田は横にいた少年二人に同意を求めるが、その軽薄な様子に白石は彼の頬を思い切り引っ叩いた。

「馬鹿!!」
「あぅ…ッ!」
「今度のことは僕らのせいだ!だから、僕らが責任を取らなきゃいけないんだ!」
「そう…、今回この程度で済んだのは、君たちが幸運だったからだ」

 鬼太郎は本気で彼らを叱る白石に同意し、水虎が封じられた石を見せつけながら凄んだ。

「妖怪が本気で怒れば、もっと恐ろしくなるだろう」

 一同が目をギラつかせ少年たちを睨む。加えて一反もめんの「知らんばい!」というセリフを皮切りに、少年たちは恐ろしくなり、「ぎゃああ!!」と蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。


「そう、幸運だっただけなんだ」

 小さくなる少年たちの後ろ姿を見送りながら、鬼太郎はぽつりと呟いた。

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瑠璃 - 新しい話読ませてもらいました!この小説の夢主の性格が他の夢主と違う所がすごく好きです!無理せずマイペースにこれからも頑張って下さい(*^^*) (4月5日 12時) (レス) id: 2399b502ed (このIDを非表示/違反報告)
はなこ(プロフ) - 瑠璃さん» ありがとうございます!まさか読んでくださる方がいると思っていなかったため、とても嬉しいです。マイペースに頑張ります! (4月4日 11時) (レス) id: 6d88c11cf9 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 今まで読んだ5期の夢小説の中で、一番好きです!これからも応援しています! (4月4日 11時) (レス) @page29 id: 2399b502ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はなこ | 作成日時:2024年3月28日 1時

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