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「うわ、!食べられた…!」
「鬼太郎!A!」
白石と猫娘は水虎に飲み込まれた二人に絶望感を抱いた。
皆の悲鳴や慌てぶりに相反して、鬼太郎は水虎の体内でAの姿を探す。彼女はすぐに見つかったが、水虎の触手によって体の自由を奪われ身動きが取れない状況だった。
「A!」
彼女は必死にもがこうとするが、触手を通して妖力を奪われているのかどんどん苦しげな表情になっていく。
「A!僕の手を!!」
「鬼太郎!!」
鬼太郎も触手に手足や胴を絡め取られるが、何とか力を振り絞り、今度こそ離さぬように彼女の手を強く掴み取った。
「すまないA、少しの間だけ我慢しててくれ!」
「わかった、信じるぜ、お前のこと…!」
鬼太郎がこれから何を行うか察したAは、覚悟を決めて彼に力強く頷いた。
「勝負だ……!体内電気ッ!!!」
鬼太郎が体内電気で水虎を内部から攻撃する。しかし、強大なパワーを得た今の水虎には歯が立たない。
「ダメじゃ…、体内電気の力だけでは、水虎を倒すことはできん…!」
目玉おやじが諦めかけたその時だった。
「ウァァ゛アア゛ァアアッ!!!!」
水虎の体が内部から眩いほど輝き出し、苦しみ始めた。
「こ、これはただの体内電気ではパワーでは…!」
「ハッ…!龍の息よ!おばばが砂の中に混ぜてくれた!」
猫娘は砂かけ婆の砂の調合の現場を思い出した。きらりと上品な輝きをもつ龍の息は、その美しい見た目に反して水や電気に反応し、激しく燃え上がる性質を持っている。
「龍の息が反応して燃えているんだわ!」
「おぉ…!さすが我が息子じゃ!」
鬼太郎の体内電気によって反応した龍の息は激しく燃え盛り、水虎の身体を燃やしていく。
水分でできた水虎のその体は炎で徐々に蒸発していき、あっという間に解呪前の元の丸い石となった。
水虎が石となったことによって、奴の体内に閉じ込められていた少年たちは勿論、鬼太郎とAも無事に外に出ることができた。
「ハァ、ハァ…ッ、A、無事かい?」
体力を消耗し、ボロボロになった鬼太郎が、床で倒れるAに目を向ける。彼女も体内電気の感電と妖気を奪われたこときより満身創痍だが、何とか無事だった。
「あァ…、ちと、痺れるがな」
「はは、それだけ減らず口が叩けるなら大丈夫だな」
鬼太郎はAの腕を自身の肩で支えながら、目玉おやじたちがいる方へと戻って行った。
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瑠璃 - 新しい話読ませてもらいました!この小説の夢主の性格が他の夢主と違う所がすごく好きです!無理せずマイペースにこれからも頑張って下さい(*^^*) (4月5日 12時) (レス) id: 2399b502ed (このIDを非表示/違反報告)
はなこ(プロフ) - 瑠璃さん» ありがとうございます!まさか読んでくださる方がいると思っていなかったため、とても嬉しいです。マイペースに頑張ります! (4月4日 11時) (レス) id: 6d88c11cf9 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 今まで読んだ5期の夢小説の中で、一番好きです!これからも応援しています! (4月4日 11時) (レス) @page29 id: 2399b502ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はなこ | 作成日時:2024年3月28日 1時