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「安心しろよ、死なねぇ程度には守ってやるって」

 Aが白石の肩を軽く叩き、言葉をかける。体に水虎を封印するための札を背負った目玉おやじも、彼女に続いて声を掛けた。

「大丈夫じゃ、わしもついとる」
「え、…あ……」

 不穏な発言が垣間見られるAと小さい体でどう見ても頼りにならない目玉おやじ。白石は生きた心地がせず、元々青ざめていた顔をさらに青くさせた。

「き、鬼太郎さん…」
「そのまま動かないで、じっとしていて!」

 白石の声が不安げに震える。本当は逃げ出したいが、鬼太郎の様子でそれはもう遅いということを彼は悟ってしまった。

「本丸のお出ましだな」
「あぁ」

 Aが呟いたその台詞に鬼太郎は頷くと、彼は少しずつ後ろに下がり白石から距離を取る。

「き、鬼太郎さーん!Aお姉さん!」
「心の準備をしてな!舌を噛むぜ!」

 その瞬間、プールの水面から水飛沫をあげて水虎が現れた。

「ヒッ!!」

 真正面から捉えた水虎の恐ろしい形相に白石は目を見開く。水虎は大口を開け、白石に襲い掛かった。

「今だ!!!ぬりかべ!!」」

 鬼太郎の合図とともに屋上からぬりかべがプールサイド目掛けて勢いよく落下する。彼の大きな図体には、白石が繋がれていた縄が括られていた。
 ぬりかべの巨体が重しになり、その反動で白石は屋上へ向かって猛スピードで引っ張り上げられる。

「よしいいぞ!そのままプールを塞ぐんだ!」

 地面に着地したぬりかべは、鬼太郎の指示通り縦横に巨大化し、プールを全面的に塞ぐ。これで水面と水虎は切り離された。


「うわぁあッ!?おっ、お姉さぁぁあん!!」
「大丈夫だよ!あたしがついてる!」

 一方で、Aは素早く白石の身体を小脇に抱え、そのまま彼が屋上の壁に激突しないよう、反動の勢いに乗って垂直の壁を身軽に走り抜ける。張り巡らされたフェンスを飛び越え、見事屋上への着地に成功した彼女は、白石が縄に締め付けられぬように結び目を解いてやった。

「言ったろ?大丈夫だって」
「し、しぬかとおもった……ッ!」

 白石はぜぇぜぇと肩で息をする。しかし、安心も束の間。

「ウォ゛ォオオ゛オオオッ!!!!」

 水面から切り離された水虎が咆哮し、白石たちに牙を向いた。

「来い、水虎!!」
「こっちじゃ!」

 Aと目玉おやじが水虎を引きつける。そして、襲い掛かろうとしたその時、鬼太郎から放たれたリモコン下駄が水虎の水で出てきた身体を貫いた。

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瑠璃 - 新しい話読ませてもらいました!この小説の夢主の性格が他の夢主と違う所がすごく好きです!無理せずマイペースにこれからも頑張って下さい(*^^*) (4月5日 12時) (レス) id: 2399b502ed (このIDを非表示/違反報告)
はなこ(プロフ) - 瑠璃さん» ありがとうございます!まさか読んでくださる方がいると思っていなかったため、とても嬉しいです。マイペースに頑張ります! (4月4日 11時) (レス) id: 6d88c11cf9 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 今まで読んだ5期の夢小説の中で、一番好きです!これからも応援しています! (4月4日 11時) (レス) @page29 id: 2399b502ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はなこ | 作成日時:2024年3月28日 1時

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