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こんなんじゃ。ダメっしょ。 ページ8

交流戦に入ったけど、私は絶不調で。

ファン「何してんねん!!」

ファン「目ぇ、ついとんのか!」

ファン「帰れ〜」

外野を守ってても、打席に入っても飛び交うのはヤジばかり。

監督にも注意されて、遂にはスタメン落ち。

初めてのスランプに、どうすればいいのか分からない自分がいて。モヤモヤしたまま一日が過ぎていく。

「…はぁ。」

ベンチに座って誰もいないグランドを見る。外野から順に守備位置を目で追っていって、必ずある守備位置で止まる。さっきからそれの繰り返し。

爐曚鵑泙帽イや

そう言った勇人の声が頭で何度もリピートされて。それと同時にほっぺに受けた柔らかい感覚を思い出す。

「…はぁ。」

これで何回目のため息をついたんだろう。数えきれないくらいのため息をついた後。

「ため息ばっかりついとったら、幸せ逃げるぞ〜。」

上から、少し笑うような声がふってきて。

「良太さん…。」

ベンチの縁に手をかけて上から見下ろして笑う良太さんがいた。

良太「Aに、ため息なんて似合わんよ。」

そう言って横に座る。

「いつからいたんですか?」

良太「今来た。」

同じようにベンチにもたれて、グラウンドを見る良太さん。

「良太さん。」

良太「ん?」

狄佑鮃イになるってどんな気持ちなんですか?

そう聞くつもりだったけど。いざ聞こうとすると、何かがつっかえたみたいに言葉が出ない。

「スランプの時ってどうするんですか?」

暫く間をあけて聞いた私に、良太さんは言った。

良太「Aは、今どうしたいん?」

「私ですか?」

良太さんに言われてじっと考える。私は…

どうしたいんだろう。悩んでいるのは、野球の事?それとも勇人の事?考えてることがグッチャグチャになって、混乱する。一体私はどうしたいんだろう?どうすればいいんだろう?

「…分かりません。」

独り言のように呟くと、良太さんは頷く。

良太「わしもじゃ。スランプになると自分がどうしたいのか分からん様になって、何がしたいのかも分からんくなって、頭ん中がごちゃごちゃになる。」

グラウンドを見たまま話す良太さんの横顔はいつもより真剣で、真っ直ぐな目をしている。

良太「じゃから、一旦考えるのをやめるんじゃ。」

「え?」

良太「考えてくよくよしててもどうにもならんじゃろ?じゃけぇ、なんも考えんでバットを振ってみるんじゃ。へっとへとになるまでバットを振り続ける。」

「それでもダメだったら?」

迷ったら前に。苦しかったら前に。辛かったら前に。→←もしもあの時…。鳥谷version



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soft(プロフ) - ななみんさん» ほんとに不器用なのよこの子!←誰ー笑笑 さあ、誰なんだ!? (2016年1月11日 21時) (レス) id: 6e1dcb83a7 (このIDを非表示/違反報告)
soft(プロフ) - かいちゃんさん» さっさと踊って咲かせぇぇえ!! 誰でしょう!? (2016年1月11日 20時) (レス) id: 6e1dcb83a7 (このIDを非表示/違反報告)
ななみん - あらあら…ご愁傷さまチーーー(º ロ º )ーーーン…しゃかもと何かこの感じがいいんだよなぁ…(突然)助けに来てくれたの誰だろ?やっぱトリさん?それとも剛?意外に良太さん?能見さん…はないな(笑) (2016年1月11日 19時) (レス) id: 878c566972 (このIDを非表示/違反報告)
かいちゃん(プロフ) - softさん» なんやと、ごらぁぁ!!ってか助けに走ってきてくれたのは誰?!?!?!!!! (2016年1月11日 18時) (レス) id: fa35a049e8 (このIDを非表示/違反報告)
soft(プロフ) - かいちゃんさん» ワカランよこせゴラァー!! (2016年1月11日 17時) (レス) id: 6e1dcb83a7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:soft | 作成日時:2015年11月1日 13時

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