食わず嫌いな君と僕

ジャパニーズニンジャはどこ！？ ページ24

｢どこ！どこ！ ジャパニーズニンジャ！｣


試合開始前なのにもう赤く染まり始めている観客席と、少しのざわめきを横目に3塁ベンチからグラウンドへ飛び出した。



だって……！



今日戦う予定の広島の選手には、1人ニンジャがいるのよ！？



そのニンジャの名前は、キクチさん。
ふみにその存在を教えてもらってから私はずーっと興奮しっぱなし！


3年間日本にいても会えなかったニンジャにやっと会えるなんて！


しかもニンジャ、野球やってた！




三塁ベンチからグランドを横切って進めば



あっという間に一塁ベンチ。



そこでは素振りをしていたり、キャッチボールをしていたり、試合前の準備をしている広島の選手方がいた。


(こ、この中にニンジャが……！！！)


まず初めに、近くで座ってストレッチをしている選手に近寄る。


｢すみません！｣


声をかけると、下を向いていた顔を上げてこっちを向く。そして目があった途端に、おおーっという声を出した。


｢赤星Aちゃんだ！ でしょ！？｣
｢Yes! えーと、貴方は、キクチさん？｣


私がそう聞けば、『マジかコイツ』って声がしそうな顔をして立ち上がった。


(キクチさんじゃないみたいね……)



｢俺の事、知らないの……？｣
｢えーと、なんて言えばいいか……私、自分以外の野球選手全員知らないんです。チームメイトの名前も1か月前に知りました！｣


あ、でも能見さんは別です！


胸を張ってそれを言うと、三塁から走ってきた人影が私の隣に並んだ。目の前の広島の選手はずっとポカンとした顔をしてる。


｢すみませんこの子、アホの子なんですー｣


隣に来た人の手が腰に回されたと思ったら、もう片方の手で頭を押さえつけらる。

｢どういう事ですか……ぽん先輩？｣

｢こっちのセリフじゃ……。すまん大瀬良、こいつほんまに選手の事知らんくて｣

｢えっ、マジなんすか……？｣

｢俺も最初びっくりした。後で一緒に挨拶来るけど、一応他の人らにも伝えといてくれん？｣

｢りょ、了解です｣


頭を下げられたまま、どんどん話は進んでいく。


｢ぽん先輩！私ニンジャに会いたいんです！｣

バッと、顔を上げてぽん先輩をみる。


｢ぽん先輩はやめんか！ Aは後で鳥さんと一緒に挨拶行ってもらうから！ やないとめんどくさい事に……｣

と言いながら私を三塁ベンチの方へ引きずるぽん先輩。


｢No！私はニンジャに会うんです！ニンジャ！｣
｢鳥さんと一緒に会ってくれ……頼むから……｣

RED NINJA......Foooooo!→←開幕、ふたつ。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す