青の白雪姫10【オビ】 (ページ6)

今日:13 hit、昨日:4 hit、合計:4,952 hit

. ページ6

廊下に出ると男はその光景に息を詰まらせた。男の目に映っているのは

倒れている兵達の姿

「────…誰か！誰かいないのか！」

カツカツと廊下を歩きながら叫ぶが、聞こえてくるのは自身の足音だけであった

そして階段に辿り着くと

ドサッと倒れている女性が

その横には目に光が無いタリガが立っていた

「……。何をした………!?」

タ「ツルバ！屋敷は押さえたぞ！」

「そっちは何か聞けたか？」と言いながら歩いてきたツルバに身を固めてしまう男

タ「妻と、妻の血縁が共謀していそうだ」

ツ「「もう一人の共有者」か……」

男の隣に立ったツルバの手には、先程の部屋の机から取り出した二枚の手紙

隣で静かに読み始めるツルバ

ツ「そちらが香水を作り、あなた方夫妻は同輩の家に少量ずつ渡し高額の金を得る…」

ヒュッと剣を回したタリガ。自分の置かれている立場を理解した男は目の前で土下座を

「も、もう我が物のように利用はしない！見逃してくれ……!!今後は貴殿らに従うと誓う

だから、命は助けてくれ、」

キンッと剣を収めたタリガは「下から応援呼んでくる」と言い階段を降りて行った

タリガの表情は先程の冷たいものとは程遠い、柔らかな笑みを浮かべていた

ツ「ここに
どなたの命令で来たと思っているんです？」

そしてツルバも同じ表情であった

貴方side

白「A！オビ！エイセツ様！」

隣の部屋から出てきた白雪は「これを……」と言い、持っていた本を私達の前に広げた

本の隅に血の付いたあと

白「リュウが私達より前に、ここに居た」

エ「また、血が──────…」

下に2個。少し離れた場所に3個

これは

オ貴「「宿の合図…」」

二回と三回

オ「リュウ坊………」

貴「…」

白「温室を探そう。行き先を残してくれた」

エ「温室？」

白「これが本に挟まっていて」

白雪は私の手のひらに少しだけ血のついた花びらを落とした。

これって…

貴「北では冬から温室で世話する植物の花、」

エ「…花ならいくつか部屋に散乱してるけど、選んでこの花をって事？」

白「はい。散った花弁も葉も落ちているのにこの花弁をわざわざ、ちぎっています」

貴「リュウは
必要もなくこういう事はしないからね……」

────無事でいて、リュウ