青の白雪姫10【オビ】 (ページ1)

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温室ページ1

NOside

「お前の部屋だな？」

カ「…ええ」

ズルッと自身の手に付けられていた縄を解かれ、「言った通りにやれ」と言い、男はドンッとカゲヤの背中を前へと押した

押されたカゲヤはキッと男達を睨みつける。その視線の先には、頭を袋で覆われているリュウが床へと座らされていた

「早くしろ。お前がいつも作っている薬を調合して見せればいい。それからその通り書き記せ」

ギュッと手を握り動こうとしないカゲヤに男達は顔を合わせた瞬間

ゴツッ!!と
剣をリュウへ思いっきり当てた

カ「!?」

リ「────…、っ」

剣はカバーをしていたので、リュウは切りつけられたわけではなかった。そのまま苦しみだすリュウ

カ「その子は、なんの関係もな……うっ！」

大声を出すカゲヤの髪を後ろへと引っ張る男。それに痛みが走り顔を顰める

「関係無い？そうだな手違いだ
だが、息子を育てたあんたは無視できない」

袋を外されたリュウは不安の目でカゲヤを見つめていた。リュウはヨヅミと勘違いされ連れ去られたのだ

「薬を作れば
お前の息子にそれを持って行くと約束する。そろそろ香水の作用に勝てなくなっている頃だ

"恋人"に使われているうちはいい。

だが次は？

次はいつ、どんな状況で使われてしまうか分からない。その時、何も知らないどこかの令嬢がそこに居たら？

騎士にあるまじき醜態だ。そんな姿を見たいのか？」

"母も喜びます"

笑っているヨヅミを思い出したリュウは

息を詰まらせる

そしてカゲヤもグッと唇を噛む

カ「………ここでは、出来ないわ
あなた達のような人が入り込める場所に揃えてあるはずないでしょう」

「ではどこでなら出来る」

カ「……誰も知らない、温室が。
そこの裏側に鍵を隠してるわ」

「探せ」

床にポツンと落ちている花を見つめたリュウ。その花は赤と青色の、

恐怖で固まりながら見つめていると

「ありました」

鍵を見つけた男達は荒々しくリュウの手を掴み

「行くぞ」

そのまま二人を連れ去って行った