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何処かに停まった馬車。暗い景色にシュウは戸惑いながらヨヅミに問いかける
シ「ヨヅミどの。教えて下さい
あなたの恋人は、どこの家の方なのですか?」
ヨ「彼女は────────…」
ギッ
乱暴に開けられた扉に視線を向けると、剣を持った黒い男達が
エイセツを襲い、Aとツルバが倒した黒い男達と同じ仲間である
外に出された三人
そして何かを話している黒い男達に
上から話しかける者が
「おーい!大丈夫かあ?」
「「!」」
「向こうで急に速度を上げたのが見えたからさ、馬が制御出来なくなったのかと………」
剣を持っている謎の黒い男達、そして血を流しながら倒れている御者
その光景に、固まってしまう男。そして、もう一人は焦りながら「行こう」と逃げようとする
それを許すはずがなく
追え!と指示を出した瞬間
シュウは男の痛い場所を蹴り上げ、ヨヅミは腰についていた小型のナイフでもう一人の男の太腿を刺す
バッと固まっているリュウの腕を掴んだシュウ
その拍子にドサッと本が落ちた
三人は森の奥へと逃げる。そして遠くから男達の声がするのに恐怖を覚えるリュウ
そして見つかりにくい所に隠れた三人
シ「リュウどの!ここに隠れて連中が離れて行ったら逃げて下さい」
ヨ「賊の手にあった剣が私の…所属騎士団のものでした。あれで御者を襲ったのでしょう
狙いは…おそらく私だと思います。
これを、時間を稼ぎます」
リュウに小さな小型ナイフを渡したヨヅミ。困惑しながら問いかけるリュウ
それに対しニッコリと笑ったシュウ
シ「すみません。
リュウどのを守って戦える程じゃありませんが、自分の身だけなら守れますから
無茶しちゃだめですよ」
そう言って二人は走って上へと登って行った。二人を見つけた連中達はそのまま追いかけて行き
いつしか声も聞こえなくなっていた
取り残されたリュウは自分の早くなっていく鼓動だけが聞こえてきて
リ(あれ、本………)
落としたことすら分かっていなかったリュウ
そのまま止まらない鼓動と共に
焦り、不安、恐怖が溢れる
リ(ど、どうしたら…。
白雪さん、オビさん、薬室長、Aさん
─────A、さん…)
────リュウに勇気が出る
──────────魔法教えてあげる
リ(─────────────…確か、)
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作者名:かっちゃん | 作成日時:2023年4月25日 16時