青の白雪姫9【オビ】 (ページ39)

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カ「────…。
エイセツ様は、出て、行くなと…」

エ「俺も、伯爵家の総領としてこれ以上不評は買えないのです。俺の問題で…申し訳ありません」

そしてエイセツどのは懐から袋を取り出し、カゲヤさんに差し出した

エ「給金の三年分です。これを持って…出て行ってもらえますか」

なんで、

こういう運命になるのだろか

どうして、こうなってしまうのだろうか。二人は、何か悪い事でもしたのだろうか、噂を立てた周りが悪いんじゃない。どうして？

何故か分からないけど

エイセツどのの心の声が聞こえてきた

───こう仕向けたと言えない。言えば彼女は決して金を受け取らない。受け取ってくれ

頼むよ、どうか

────────もう泣かないでくれ

そんな言葉と同時にカゲヤさんはエイセツどのが持っていた給金を受け取った

カ「エイセツ様のお気持ちはわかりました」

私に言われた訳では無いのに、ドクリと心臓が鳴った。同じようエイセツどのも

──────本当に？

───────どこまでわかってくれている？

頭を下げたカゲヤさんはそのまま去って行く

──────訊けなかった

──────無理だ。訊けない。もし、伝わっていなかったら

───────自分の本心は無いのと同じだ

あぁ………だから、エイセツどのは

───────もう、どうでも良かった

こうなって、しまわれたんだろうか……

パァっと辺りは光に包まれ、目を瞑る

次に目を開けた時には視界にオビ達が目に入った

貴「──────…お、び？」

オ「!! A嬢……よかった、」

貴「………!!
エイセツどのは、!!」

ガバッと起き上がった瞬間
ズキっと全身に痛みが走り、身体を丸くする

貴「〜っ、いっ、た…」

私の背中を支えてくれるオビに礼を言い、辺りを見渡した。

無傷のツルバ。私と同じようボロボロのエイセツどの。エイセツどのの近くにいる白雪

自分の体を見ると、服は所々汚れていて腕や足には包帯が巻かれていた

ツ「A!!」

貴「ツルバ…」

ツ「っ、すみませんオビどの。Aに怪我をさせてしまった…」

オビに頭を下げたツルバに驚きを示す