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鈴「徐々に惑わす…」
ユ「たとえば鈴が私の部屋に来る時に、私がある香りを焚いていたとするでしょう」
鈴「うん」
ユ「その時に香りを気に入ると…
日が経っても、ふと恋しくなるのよ。そしてまた私の部屋で同じ香りをかぐ
四度五度…と繰り返すともう恋しくてたまらないから、足繁く通うようになって…」
鈴「追い出されるの俺?」
ユ「黙って 今いいところなの
ふ、ふっふ。さて鈴は判断出来るかな?
まさか、香りに毒されているなんて思いもしない。恋しくて欲しているのはユズリさんだと思い込んでしまう」
鈴「……。わーお…」
ユ「鈴は香りのあるものに作用がある場合を知っているから、引っかからないかもしれないけど」
鈴「いやわからんぜー。
香水なんて警戒しないもんね」
ユ「ところがだね。昔は蝋燭だったのよ
貴族が使っていたんじゃなく花街でひそかに使われていたって、どうもおかしいと気付いた。客達の話から明るみに出て
材料になる一部の植物の栽培と、蝋燭の所持が禁じられた。
だけど、誰かがずっと記録なり現物なりを密かに保存していたとすれば…」
鈴「それを香水に変えて使い始めた」
ユ「そうして、また露見した」
リ「────これがリリアスからの報告」
ヨ「─────…。」
リ「ヨヅミさんの話と同じだ」
一通り話を聞いたヨヅミは気力を無くし、椅子へともたれかかった
シ「…あなたの恋人が、知らずに使っている可能性もあります。」
ヨ「………そう、でしょうか………
彼女は…出会った時にはもう その香りがしていました。何故、私に……」
シ「例えば…何か
騎士団内部の話を聞かれたりなどは…」
ヨ「いえ。興味を示したこともありません」
シ「────使ってる人には作用しない
なんて
都合のいい話はありませんよね?」
リ「うん。だから…
当時、中和する薬は使われてたみたいだ」
シ「それならヨヅミさんを治せるやも?」
リ「うん…」
ヨ「治、す……。香水の作用が消えたら…彼女への気持ちもなくすので、しょうか」
リ「どっちかは、わからないけど
ヨヅミさんの本心がわかる。そしたら大丈夫だよ。…あの、皆でやってみるよ」
少しだけ生気を戻したヨヅミ
シ「これは本の写しですね…。あの学問街でも蝋燭と中和薬をどう作るかの記述は見つからなかったようですが」
リ「うん。だから王城に調べに行く」
ヨ「〜〜〜っ」
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作者名:かっちゃん | 作成日時:2023年4月25日 16時