リエラ夫人 ページ17
カチャカチャと静かに音を鳴らしながら目の前の料理を口に運ぶ
美味…
ツ「私もタリガも兄の指示で行動していましたが、兄個人の事に介入してはいなかったので兄と繋がる人物や組織には知らない部分もあるのです
それで罪が明るみにならず潜んでいる者がいないかと順に調べているわけですが…」
オ「怪しいのがいた、と」
ツ「リエラ夫人です」
貴「リエラ…"夫人"？」
ツ「ああ。
夫は随分前に亡くなっているみたいだけど…
その者がルギリア領の人物である事
兄が金銭的支援をしていた事
これは間違いありません」
オ「トウカが金銭的支援!?なんで!?」
ツ「わかりません。しかし ただ純粋に支えたりするような兄ではないので
何かしら裏があったのでしょうが…」
オ「…………………。愛しちゃったとか」
オビの言葉に目を見開くツルバ。そして戸惑いながら口を開く
ツ「………。
兄のことで冗談を言われたのは、はじめてです」
オ「いや 一応
可能性の一つで言ってみたんだけどね」
ツ「え？
兄が………人を、ですか…………」
スンッと目に光が無くなったツルバを横目で見ながら水を飲んだ
ツ「権力に執着していた人ですから、人に心を奪われている可能性も無くは…無いですが…」
オ「何かに執心してる時点で心があるって？」
ツ「…そうなります。甘いかもしれませんが」
貴「ううん、異論は無いよ。ね？オビ」
オ「無いね」
一瞬キョトンとしたツルバはニッコリ笑った。うんうん、やっぱり笑った方が良いよね
ツルバとタリガって
カッコイイと可愛い両方ある気がするなぁ
ツ「ですが、やはり兄は…そういった二面性は無いと思います」
オ「まあ恋人か愛人なら
それらしい痕跡が残ってるはずか」
ツ「はい。夫人が兄に宛てた手紙からも読み取れませんでした」
貴「読んだの…？」
ツ「兄宛のものは一通り目を通したよ」
オ「……。恋文じゃないなら内容は？」
ツ「お世話になっている知人に向けて緩やかな日常と近況を綴った、そんな文面です
──────が、それが
夫人を疑う一番の理由です」
ほぉ…。と目を細めていると、コト…とナッツの入ったケーキが目の前に置かれた
え、美味しそう。なんか輝いてないこれ？？
貴「ありがとう」
オ「…どうも」
うん何だろう。
有難いけど場と間がなぁ…(苦笑)
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作者名：かっちゃん | 作成日時：2023年4月25日 16時
