～彩雲国物語～ (ページ7)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:1,567 hit

5 ページ7

「……ん…」

楸瑛「気が付かれましたか」

「…楸瑛…ここは…」

目が覚めると横にはラフな格好をした楸瑛が
ベットに腰掛けながら私の手を握っていた。

楸瑛「睡蓮宮ですよ。」

「迷惑かけちゃったみたいね…」

だるい身体を起こそうとすると
楸瑛が手助けをしてくれた

楸瑛「秀麗殿が私達を呼びに来なかったら危なかったですよ」

「ありがとう」

困った顔をしながら笑顔で楸瑛にお礼を言うと
楸瑛は溜息をつき

楸瑛「本当、心配しました」

ポツリと呟いた

悲しそうな顔をする楸瑛
花街の女の子にはそんな顔見せないのに
私の前だと何故か弱味を見せる

私はゆっくり楸瑛に腕を伸ばし
彼を抱きしめると
楸瑛も私の肩に顔を埋め強く抱きしめた

しばらく抱きしめた状態が続き
落ち着いたのか
そっと私から離れる楸瑛

「ふふっこんな貴方を見れるのは私だけね」

楸瑛「当たり前ですよ」

「ふふ」

楸瑛「それより、今回は何故王宮に訪れたんだい？」

「あのバカ王の妃をみたくてね」

楸瑛「君は本当に主上が嫌いだね」

「当たり前よ、甘ったれてる王なんて仕える気にもならないわ」

ふんっとそっぽを向くと
軽く笑い出す楸瑛

「で、最近の王は？」

楸瑛「相変わらずフラフラしているよ」

「本当あのバカ王は…」

楸瑛「まぁそんな事より、私は久々柊華姫に会えて嬉しいよ」

「どうせ、そこら辺の女性にも同じこと言ってるんでしょう」

呆れた様に言う

この男、藍楸瑛は女性関係が非常に華々しいく、後宮から度々朝帰りをしているとか
ちなみに私付きの女官情報だ

楸瑛「私はずっと柊華姫だけの事を想っていますよ」

真剣な顔をして言われるが

どうだか…

「気持ちだけ受け取っとくわ」

笑顔で軽く流すと
楸瑛はガックリと項垂れた

楸瑛「信じてないね…」

まぁ何やかんやで
楸瑛と二人で過ごす時間は私にとって楽しい時間なんだよね

もちろん楸瑛には内緒だけど

.