～彩雲国物語～ (ページ4)

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長い時間馬車に揺られ、ようやく王宮に到着した

「…ふぅ、ようやくついた…」

長時間馬車に揺られるのは体に悪いわね…

馬車から降り、門番に門を開けるようお願いすると
顔を赤らめた門番が、慌てて開け始めた。
柊華を、初めて見た人の反応はだいたい今みたいな反応をするのだ

王宮の中に踏み入れるた足で
そのまま、霄太師の元を伺う。

王に妃を与えた経緯を聞きに

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霄太師の部屋に着くと勢いよく扉を開けた

部屋の中にいた霄太師は、柊華が来ることを知っていたのか驚きもせず椅子に腰掛けゆっくりお茶を飲んでいた。

霄太師「おお、これはこれは柊華姫。珍しいですなあ、王宮に出向くとは」

白々しい言葉を吐き出すこの老人は
朝廷三師(実務には携わらないが、王の教育係や相談役といった役割を務める名誉職)の一人で
先王時代は長年宰相を務め、王のためなら何でも犠牲にする、食えないジジイ。

「バカ王に妃を与えたんですってね」

霄太師の正面にある椅子に腰掛けながら言う

霄太師「耳が早いですのう、柊華姫は。それにちと、口が悪いですぞ」

愉快そうに笑う霄太師

「急にどうして？」

尋ねると

霄太師「俗に言うではありませんか" 妻女こそ夫子の大敵である "とのう」

意味有りげに口許をゆるませながら答えてきた

「それで目をつけたのが紅家の姫って訳ね」

霄太師「本当は妃の役目を柊華姫に担って貰いたかったですがのう」

「絶対いや」

病弱の妃とか
玉座を狙う者の格好の餌食になるじゃない

ズバッと言うと
返答を分かっていたのか笑いだす霄太師

霄太師「残念ですのう」

「あなたの駒にはなりたくないからね」

はっきり言うと
一口お茶を飲み喉を潤し
椅子から立ち上がると、霄太師に背を向け部屋を出ていく

霄太師「儂の企みも気づいておいでで…
本当に惜しいお方だのう。王になろうと思えばなれるお方なのにのう」

去っていく柊華を見ながらポツリと言葉を零した

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