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｢終わっ……たー……！｣
｢お疲れ様ー｣
なんとか仕事を終わらせて、二宮くんと帰り支度をしていると、コトン、と私の机に缶コーヒー。
手が引っ込んだ先を見ると、二宮くんが少し気まずそうに唇を尖らせていた。
｢……くれるの？｣
｢……貸し借りはあんまり好きじゃないんですよね｣
そう言うと二宮くんはさっきとは打って変わって、ニヤリ、と口角を上げ、ふふん、と得意げに鼻を鳴らした。
ああ、なんだ、こんな感じの人なんだ。もっと根暗だと思ってた。
今まで話しかけなかったことに少し残念さを感じつつも、お礼だって素直に言えていないことに笑いが漏れた。
｢残業代？やっすーい｣
｢贅沢言うなや！｣
｢はーい。ありがたく頂戴しまーす｣
｢んふふ｣
そのまま2人でエレベーターに乗り込むと、プルルルル、と響く電子音。どうやら二宮くんの携帯のようだ。
ごめん、と目だけで断って電話に出る彼はどこか嬉しそう。彼女さんだなこれは。
｢うん、終わった。今から向かうね。……ん。じゃあ｣
笑顔のまま電話を切る姿を見て、うーんいいなぁ、青春だなぁ、なんてくだらないことを思ってしまったのは、そういう色恋とはほぼ無縁の生活をしてきたからだろうか。
なんてね。
｢間に合いそう？｣
｢うん。ありがとね……えーっと｣
｢市川｣
｢ん、市川さん｣
2年も隣にいたのに覚えてなかったんかい、とか、それなのにそんな得意気な顔すんなや、とか。
突っ込みたいことはいくつかあるけど、まあ今日のところはやめといてあげよう。
幸せそうな二宮くんを見て、そう思った。
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聖夜姫 - はじめまして 聖夜姫(いぶき)です！作品を読んで楽しめましたMJファンにはたまらないです よかったら友達になってください！ (2016年8月12日 20時) (
レス) id: 34d7a0d57b (このIDを非表示/違反報告)
沙理那(プロフ) - まりさん» ありがとうございます！ (2016年7月21日 19時) (レス) id: c7c004a3ee (このIDを非表示/違反報告)
沙理那(プロフ) - 向日葵の微笑み潤さん» ありがとうございます！ (2016年7月21日 19時) (レス) id: c7c004a3ee (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - わぁとってもキュンキュンします！潤くんファンとしてはたまらないです。楽しみにしています！ (2016年7月21日 16時) (レス) id: 23cd098b4a (このIDを非表示/違反報告)
向日葵の微笑み潤 - 花金、お話進みましたね〜！ますます、続きが気になります！更新頑張って下さい！！ (2016年7月20日 17時) (レス) id: 82b8fa921d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沙理那
| 作成日時：2016年7月15日 10時
