おまけ『再会』 ページ18
とある弁護士事務所。
お世辞にも大きいとは言えないけれど、デキル上司弁護士さんとデキル事務ちゃんと弁護士見習いの俺で結構楽しく充実した日々を送っていた。
担当していた一件が終わり、デスクでコーヒーを飲みながら、ふう、とため息をつくと、向かいのデスクからデキル上司改め翔さんが、ふと思いついたように口を開いた。
｢……松本って彼女いないの？｣
｢あ、それ私も気になってました｣
｢だよね、気になるよね｣
最近デキル事務ちゃんと付き合い出したからって翔さん浮かれてるなコレ。
と思いつつ考えてみる。
｢……彼女｣
｢まさかいたことない、とか？｣
｢いやいたことはありますけど｣
ふと脳裏をよぎる幼馴染みの顔。
成り行きで付き合ったにしては結構仲良かったし、大学で遠距離にならなければ今でも付き合ってたんじゃないかとは思う。
自然消滅。
そんな言葉がぴったりの別れ方だった。
｢今はいないですねー……｣
｢……ふーん……作ればいいのに｣
｢彼女ですか？｣
｢うん。いいよ彼女｣
横にそのいい彼女が真っ赤な顔して俯いてますけど？とは言わずにとりあえず笑っておく。
確かに。別れ話をした覚えはない。
まあ自然消滅に別れ話もなにもないとは思うけど。
最近は仕事ばかりで色恋に興味が持てなかったのも事実だけど、持とうとも思ってはいない。
｢お先失礼します｣
｢はーいお疲れ様ー｣
事務所を出て、電車に乗って、いつも通りの帰り道。
とりあえず今日は金曜日だし、帰ってビールでも飲むかな。なんて。
いつも通りのことしか考えてなくて。
ぎゃっ、なんて声がして、ふとそちらを向けば女の人が転んでた。
｢あーもー……最悪……｣
そうボヤきながらため息をつくその人は。
｢……A？｣
ふわりと、髪が風に揺れる。
俺の顔を見上げた、元カノの瞳も揺れる。
｢……潤｣
彼女の掠れた声が俺を呼んで、全部、全部昔に戻った気がした。
ああ、まだ俺コイツのこと好きなんじゃん。と。
もうひとりの俺が、言った気がした。
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聖夜姫 - はじめまして 聖夜姫(いぶき)です！作品を読んで楽しめましたMJファンにはたまらないです よかったら友達になってください！ (2016年8月12日 20時) (
レス) id: 34d7a0d57b (このIDを非表示/違反報告)
沙理那(プロフ) - まりさん» ありがとうございます！ (2016年7月21日 19時) (レス) id: c7c004a3ee (このIDを非表示/違反報告)
沙理那(プロフ) - 向日葵の微笑み潤さん» ありがとうございます！ (2016年7月21日 19時) (レス) id: c7c004a3ee (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - わぁとってもキュンキュンします！潤くんファンとしてはたまらないです。楽しみにしています！ (2016年7月21日 16時) (レス) id: 23cd098b4a (このIDを非表示/違反報告)
向日葵の微笑み潤 - 花金、お話進みましたね〜！ますます、続きが気になります！更新頑張って下さい！！ (2016年7月20日 17時) (レス) id: 82b8fa921d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沙理那
| 作成日時：2016年7月15日 10時
