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｢ん。着いたよ｣
暗闇の中、ぽつんと光る1本の街灯。
それに照らされた滑り台やブランコの錆が、時間の流れをひしひしと教えてくれる。
｢……ここ、って｣
｢懐かしいっしょ｣
ふふ、と微笑む潤。するりと離された手に一抹の寂しさを覚えながらも小さく頷いた。
｢そっか、だからあの駅……｣
私の家からも潤の家からも、なんなら勤め先からも、特に近いとも言えない駅。そして居酒屋。
潤に指定された時どうしてそこなんだろうと思いつつ、気にすることもなかったけど。
｢なに、気が付かなかったのかよ｣
うん、気が付かなかったの。
小学生の時の遊び場であり、中学生の時の溜まり場であり。
……高校生の時の、学校帰りによく来たデート場所だったのが、この公園。
初めてキスしたのも、この公園だった。
｢……ね、潤｣
｢……ん？｣
｢なんで、さっきキスしたの？｣
聞いちゃいけないことだったかもしれない。タイミングを間違えたかもしれない。
だけど私にとっては、どうしても聞きたいことで、タイミングなんて気にしていられなくて。
少し言いにくそうに口をつぐんだ潤の言葉をただ、待つ。
｢……言ったでしょ、別れ話した覚えないって｣
｢うん｣
｢自然消滅だと、思ってたんだよ｣
｢……うん｣
私も、そう思ってたよ。仕方の無い終わり方だと、諦めてた。
｢でもさ、その話をしてた日の帰りに、お前に会って｣
……さっき擦りすぎたからかな、目元が痛いよ。
｢お前の顔見た時に、お前の声聞いた時に、さ｣
泣いたからかな、鼻がむずむずする。
｢……全然まだ好きじゃん、って、思っちゃって｣
……時間が、戻った気がした。
戻るわけがないのに、まだ幼い私と潤が、ここにいる。
｢……ホントはさ、ここで告白しようと思ってたんだわ｣
なのに酔った勢いであんなこと聞いちまうしお前は告白しようとしてるし……と、隣で潤が頭を抱えてるのが視界の端で見えた。
視界に写った街灯が、ぼやけて、滲んでいく。
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聖夜姫 - はじめまして 聖夜姫(いぶき)です！作品を読んで楽しめましたMJファンにはたまらないです よかったら友達になってください！ (2016年8月12日 20時) (
レス) id: 34d7a0d57b (このIDを非表示/違反報告)
沙理那(プロフ) - まりさん» ありがとうございます！ (2016年7月21日 19時) (レス) id: c7c004a3ee (このIDを非表示/違反報告)
沙理那(プロフ) - 向日葵の微笑み潤さん» ありがとうございます！ (2016年7月21日 19時) (レス) id: c7c004a3ee (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - わぁとってもキュンキュンします！潤くんファンとしてはたまらないです。楽しみにしています！ (2016年7月21日 16時) (レス) id: 23cd098b4a (このIDを非表示/違反報告)
向日葵の微笑み潤 - 花金、お話進みましたね〜！ますます、続きが気になります！更新頑張って下さい！！ (2016年7月20日 17時) (レス) id: 82b8fa921d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沙理那
| 作成日時：2016年7月15日 10時
