月のマテリアルの少女は家に囚われる (ページ10)

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『翔たちの感情、揺れだす日常』ページ10

「紗綾様、志穂様、黎夜様、ようこそお越しくださいました。」

今日、サーヤたちは絵麻の家に招待されていたのである。リッドに対する今後の対策をという事で、まだ疲れて眠っている絵麻を除いた中学生組三人と小学生組三人、合計六人プラス圭吾、耕平のふたりのメンツだ。

だがあまり方向性が決まらず、お開きになったのだ。

「紗綾様たちは、灰神のおふたりの絵麻様に対する感情をお知りですか？」

翔たちが絵麻を見に行った隙に麗が尋ねる。

「いいえ。」

「お教えしますよ。ズバリ、恋愛感情です！」

「えぇ⁉」

「まぁ翼様は一歩身を引いてますがね。」

「つまり、この機に告白してほしいと？」

「そういう意図もありますが、絵麻様が悲しまないように、という方が大きいですね。」

麗がふたりの絵麻に対する恋心を明かしていた頃…

「絵麻？入るぞ。」

「なに？」

「朱音さんは？」

「一ヶ月から四ヶ月ほど入院だって。」

「そうか…。気分はどう？」

「いいわよ。」

「なら明日、三人で出かけない？」

「はあっ⁉翼⁉」

翔が翼を見る。

「私はヒマだしいいけど。仕事は？」

「オフだから大丈夫。」

「ふぅん…。」

絵麻を除いたマテリアルは、絵麻の秘密を知っているため、翔たちはその秘密を今回のデート？で明かすつもりだ。