月のマテリアルの少女は家に囚われる (ページ15)

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『虚姫』ページ15

プルルルルルッ

「もしも、」

『灰神さまで⁉』

「えっ？麗？どうした？」

『大変なんです！ちょっ、お待ちください！絵麻様！きゃあっ⁉』

ブツッ

「あの、絵麻さん…どうかしたんですか？」

サーヤが尋ねると、「緊急事態。」と短く翔が答え、志穂たちも少し警戒する。

「今すぐあっちに行くぞ！」

その頃。

「ねぇ麗。何を話していたの。あの双子と、何の会話をしていたの？答えて。」

抑揚のない声で言う。

「あなた…誰です？絵麻様ではない…。」

「いつから主人にそんな口を聞いたりしたの。使えない。」

そう呟くと、げしっと麗を蹴った。

「ゔぁっ⁉」

「絵麻！」

そこに、翔たちが現れる。

「絵麻？あぁ、この身体の持ち主のことね。そんなのと一緒にしないで。わたくしは虚姫(からひめ)。リッドの唯一のパートナーよ。」

絵麻…もとい虚姫は冷酷に告げたのだった。

あとがき

はい！二章『思い出めぐり編』完結いたしました！
やー、疲れましたー。
今回はかなり新情報盛り盛りの回でしたねぇ。絵麻の病気が先天性心疾患だったり、絵麻の身体に巣食う悪魔、虚姫の存在が明かされたりとね。このあとがきの最後にちょこっと解説コーナー付けますのでよろしくお願いします。ちなみに絵麻の一人称は虚姫の存在を示唆していたの、分かりましたか⁉伏線を張ってみたので…。

次章は、平穏な終末へ向かい歩み出すため、因縁と対峙することに！この物語の終焉を、どうぞご覧あれ！

ちょこっと解説コーナー

・虚姫悪魔。リッドのパートナー。話し方は美少女戦士セーラームーンCrystalのミストレス9を元にしている。