月のマテリアルの少女は家に囚われる (ページ11)

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『着せ替え』ページ11

「ねぇ、麗…さすがにコレは私に似合わないわ。」

現在、午前八時半過ぎ。予定通り翔たちと出かけるため、着る服を選んでいた麗と絵麻。

「そうですか？」

「だって！まるでデートに行くような格好なのよ⁉ただ出かけるだけなら、いつもの服でいいじゃない！」

絵麻が抗議するほどの服装＿＿＿＿。それは、

淡い水色の布地にピンクのぼかしのかかったワンピース。

薄くオレンジがかったニーハイソックスに、白のヒール。
それまでは良かった。まだ許せる。だが絵麻が嫌がるのは髪型だ。

腰まで届きそうな髪を右横でお団子型に結わえるという、いつもじゃあり得ない髪型なのだ。

「まあまあ、デートの予行演習ということで。」

「仕方ないわね…」

時は流れ、待ち合わせ時間。

絵麻は駅前広場の時計台前にいた。

「あ、」

「悪い！遅れた。」

「べつに構わないわ。…あなたの変装、なんか新鮮ね。」

「うっせー。って、服…」

「やっぱり似合わないのね。」

「違うって！」

「ところで翼は？遅れるの？」

「急用だからふたりで行けって。」

「そう？それで、どこ行くの？」

「行ってからのお楽しみだぜ！」

かくして、絵麻と翔のデート？は始まった。