貴女がずっと好きでした。桐山照史

#11 ページ11

.








そんな俺の予想は外れて3日経たずに返事が来た。









『 結婚の返事する 』というメッセージとともに

送られて来たAの家の住所。









心の準備全然できてないし

Aの家初めてやし、声も足も震えた









「 お邪魔、します 」









緊張したのが伝わってもうたんか

Aはどことなくにやけてた。余裕やわ…









通された部屋はめっちゃ綺麗で

こまめに掃除してるんが見て取れた









Aと向かい合って座ると

彼女は小さく深呼吸をして口を開いた









「 返事、やけど 」



「 おん 」









あー、覚悟しろ俺。

多分断られるやろうけど、泣くなよ俺。









そうぎゅっと握りこぶしを作った。









でも、返事は俺が想像してなかった答えやった。









「 とりあえず、同棲してみいひん？ 」








と、どことなく申し訳なさそうに提案して来た









これって…









チャンス…やんな









むしろ、ポジティブに捉えていいよな、これ









やばい、顔のニヤケ抑えられへん









自分なりにニヤケを抑えながらAを

見ると俺の返事待ちでソワソワしてる









答えな。









「 同棲、するっ！ 」









勢いで抱きついてもうて

一瞬、『 あ、やらかした 』って思ったけど

Aはそのまま俺に抱きしめられながら









「 でも、うち、同棲とか初めてやし

わからないことだらけやねんけど… 」









と、少し不安そうな顔をした









なんて返すのがええやろ。









思ったことでええか。









「 Aらしくおってくれたらそれでええから 」









そう言って笑いかけるとAは

少しだけ顔を綻ばせた。









.

#12→←#10

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す