貴方を愛していいですか。桐山照史

spin-off 4-1 ページ36

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季節は夏、8月。









出産予定日までもう指で数えるまでになった。









入院している病院の病室の中

1日に何度もかかってくる電話









『 大丈夫なん？布団かけてる？

ご飯ちゃんと食べてる？寝れてるん？ 』









電話の相手はもちろん照史。









数日前、急遽決まってしまった出張に

いやや〜って言いながら頑張ってる。









「 なんで今なん…四六時中Aの隣に

居りたいくらいやのに〜… 」









下がり眉がさらに下がってるんやろうな〜なんて

想像して笑っていると

「 何笑ってんねん〜 」って笑う声が聞こえた









「 照史も体大丈夫なん？

ちゃんと野菜も食べてる？ 」









そう聞くと「 うっ 」っと詰まった声









「 野菜ジュースでええから野菜とらなあかんよ

私も頑張るから照史も倒れへんようにね 」









照史は私を心配するけど

私からしたら照史の方が心配やわ









その後も何回か心配のしあいっこをしてから

電話を切ると急に静かになった病室に

少し寂しさを感じる









寂しくさせないように電話してくれたんやろな









照史やって大変やのに優しいんやから









「 優しいパパが居るからな〜

安心して生まれてきてええんやで 」









そういってお腹を撫でると

返事をするかのように動いた、気がした。









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