貴方を愛していいですか。桐山照史

#16 ページ16

.








パン焼いて、目玉焼き作って

サラダ盛っただけの簡単な朝ごはん。









そんな手抜き飯さえも美味しそうに食べてくれる

親方を見て朝から幸せな気持ちになった。









普段食欲そんなにないんやけど

照史につられて結構食べれたし。









「「 ご馳走様でした！ 」」









今まで1人でやっとったことを

全部2人でやることが新鮮でなんか照れくさくて。









でも、幸せってこういうこというんやろなーって

そう思える朝。









いつもはつらい通勤もそんなにつらくなかったし

病棟に着いても、いつもより明るく振る舞えた。









「 彼氏できたからそんなに嬉しそうなん？笑 」









昼の休憩時間、天気がいいから2人で中庭に出て

ご飯を食べ始めたぐらいに神ちゃんが

にやにやしながら聞いてきた。








「 うん、久々の彼氏、いいわ 」



「 独り身にはしみる言葉やわあ 」









ぐさっと胸に何かが刺さったかのような

ジェスチャーをしながらもニコニコ天使な彼。









看護師さんとかから人気あるんやけどな

気づいてないんかな、この子。









何人かに相談されたこともあるし。









神ちゃんについて考えていると

遠くからビッグベイビー、もとい小瀧くんが来た。









「 幸せそうっすねえ、Aさん？ 」









なぜかむすっとしてるけどなんやろか。









「 そう見える？確かに幸せかも 」









嫌味っぽく聞こえてもうたかもしれへんけど

本当になんか幸せすぎて。









どうにかなってまいそうやわ。









.

#17→←#15

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す