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ザワザワと廊下で騒ぐ生徒達を通り抜けて階段を降り暫く歩けば保健室が見えてきた。
扉の前に立ちコンコンとエレンがノックする。
そういえば…以前から保健室の先生がカッコイイとか何とか言ってた気がする。
前の保健室の先生は他の学校に移動され、つい最近赴任してきた先生だと聞いてはいるけれど…。
そんなに騒ぐ必要があるのだろうか。
内心そんなことを思っていれば中から男性が返事をした。
「入れ。」
その言葉を合図にエレンは「失礼します」と言って保健室の扉を開けた。
中にエレンと一緒に入ればデスクに向かい、白衣を見に纏った男性は何やら書類に目を通している。
「あの、頭痛薬とかありますか?」
そんなのお構い無しにエレンは私達に背を向けている男性に問い掛けると書類から視線を外し、クルリと椅子を回転させ私達に体を向け、眼鏡のレンズ越しに視線がこちらを捉えると低い声色で答えた。
「…あるが、頭痛てぇのか?」
ドクン __ 。
眼鏡姿の先生を見た途端、心臓が高く跳ね上がった。
何で…?理由が分からない。
動揺してる私を他所に先生は椅子から立ち上がりエレンの側に近寄る。
「…はい。ズキズキして…。治まるかと思ったんですけど…。」
エレンがそう言うと先生はエレンの額に手を置き熱を計る。
だけど熱があるような様子も無かったのか数分してその手が離れた。
「…熱はねぇが顔色が悪い。お前、水分しっかり取ってるか?」
「あ…あまり飲めてねぇかも…。」
それを聞き、先生は軽く息を吐くとエレンから離れ薬が沢山置いてある棚に行き棚の引き戸を開け頭痛薬を手にすれば、引き戸を閉めエレンに薬を差し出す。
「軽い熱中症かもしれねぇ。これ飲んで後は水分補給を忘れずにしろ。もしそれでも具合悪いようならまた保健室に来い。」
とても教師とは思えない口調にびっくりしていればエレンは特に気にすること無く先生から薬を受け取りお礼を口にした。
「…ありがとうございます。わかりました。薬飲んで様子見てみます。」
「ああ。」
会話が終わり先生はエレンの背後にいる私に視線を向ければ眉を顰め声を掛けてきた。
「…何だ、お前も何処か悪いのか?」
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ミント(プロフ) - levi1225mameさん» 最新話見て下さりありがとうございます!わああ(;_;)素敵だなんてありがとうございます泣嬉しいです(;_;)ありがとうございます!頑張ります!(><) (2020年3月13日 1時) (レス) id: 1aff05f247 (このIDを非表示/違反報告)
levi1225mame(プロフ) - …最新話見てたらどうしよう…素敵すぎて本当に涙出てきました…泣これからも応援してます泣 (2020年3月12日 3時) (レス) id: 2edd3a5158 (このIDを非表示/違反報告)
ミント(プロフ) - levi1225mameさん» 遅くなってしまいすみません(TT)コメントありがとうございます!最高だなんて嬉し過ぎます泣!そんな事言って貰えて幸せです(>_<)これからもよろしくお願いします! (2020年2月4日 11時) (レス) id: 1aff05f247 (このIDを非表示/違反報告)
levi1225mame(プロフ) - 最高です。どの話もとても好きです。泣作品作ってくれてありがとです泣 (2020年2月3日 0時) (レス) id: 2edd3a5158 (このIDを非表示/違反報告)
ミント(プロフ) - ミレーさん» ミレーさん!いつもコメントありがとうございます!私もリヴァイ兵長大好きです!本当に同感です! (2019年12月12日 0時) (レス) id: 1aff05f247 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:☆ミント☆ | 作者ホームページ:http://s.ameblo.jp/mnto09
作成日時:2019年4月26日 15時