僕じゃダメですか？(短編集)-third-

はちまき　　濱中翠 ページ15

「途中結果を発表します」


今日は高校の中でも一大イベントの１つ

体育大会が行われている


　 「３年。１位は赤組！」


　 「キャァァァァァ！！」


１位と聞いた赤組は立ち上がり歓喜を挙げる

その中でもとくに目立つのは・・・


翠 「いよっしゃぁぁぁぁぁぁ！！！」


転校生の濱中翠。

彼の声がグラウンド中に響き渡る

本当にバカみたいかも・・・


私と彼は違うクラスだけど

掃除場所が近くだから何かと話す機会が多い方

面白いし話しやすいし

友達？とも言える存在


A「うるさいよ翠」
翠 「ハハッ！２位には言われたくないわ！」
A「別に良いじゃん」


ムカッとくる言葉を投げつけた後。

翠は赤いはちまきをなびかせて走っていった

今年は５０周年でかく学級のスローガンがはちまきに付いている

簡単に言えば今年のはちまきはレアモノ

学級の女子は男子から貰おうとしてる


私はべつに・・・。です


A「はぁ〜」


別にってのは欲しいけど要らないってことかな・・・？

いや。欲しいけど手に入らなそう

自分でもいまいちだけど翠のが欲しいと思ってる

好きって訳じゃないけど・・・

何か。他の子に取られたくないし


自分のものにしたい・・・。



A「はぁ〜」


私が溜息をついた後。後半が始まった。




　 「それではプログラム５０番。３年生全員リレーです」


これで最後の種目となる全員リレー

私は３２番目。後ろの方でもあるし

翠と同じ順番でもあった


翠 「ふぅー楽しみやな！」
A「それは良かったですね」
翠 「なんや！その返事！」


頬を膨らませこっちを睨む翠

だって本当のことだもん


翠 「お互い頑張ろうな！」
A「…うん！」


「A！そろそろだよ！」
A「了解！」


私は立った

翠を見るとニコッと笑って頑張れって言ってくれたの



ドキンッ



A「…翠。私がリレーで勝ったら…言うこと聞いてくれる？」


私は翠の方へ言った。小さな声で・・・


キュッとはちまきを縛って私は見る



はちまきだけじゃ足りない。




私は翠自身も欲しいの―――――――

失敗は成功の　　綾瀬恋雪(男の娘時)→←義父　　明智咲★

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