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ジミンの話を聞いて、不思議とストンと腑に落ちた部分もある
形はどうあれ
テヒョンの好意がそんなに昔から自分に向けられていたことに驚いたけど
何の考えも無しに大勢と付き合ってなくて少し安心した
恋愛感情が特殊そうだから
雛鳥みたいにただ私に懐いてるだけだとしか思ってなかったな…
まぁ、それも間違ってないような気はするけど
この歳まで続いてるのは相当な刷り込みだ
JN「おはよう」
斜め上から降ってくるキー高めの声とコーヒーの匂いは
ソクジンだった
相変わらず爽やか
少し後ろで、ヒソヒソと色めき立つ女子社員の声が聞こえる
「おはようございます」
忘れそうになってたけど、金曜日にいろいろあったんだった…
JN「今日早いね」
「ジミ…弟が早く出たので、ついでにと思って」
二本くらい早い電車に乗っただけだけど
今日は早いって分かるのが、なんか…
人の流れに飲まれるように、エレベーターに一緒に乗り込んだ
私は5階、ソクジンは8階
押しつぶされるほどではない人の数のせいで、触れそうで触れない距離感がぎこちない
こんな時テヒョンなら、躊躇うことなく手を繋ぐんだろうか
『ドキドキするね』なんて、いたずらっぽい笑顔が思い浮かんで
ハッと我に返る
何考えてるんだろ…
エレベーターが3階で止まったところで
JN「あっ、これどうぞ」
コーヒー？
JN「早起きは三文の得」
ニコッと柔らかな笑顔に少しドキッとした
「私、コーヒーあんまり…」
JN「うわぁ！！ラッキーなことに、今日は偶然にも抹茶ラテです」
なにその、歌のお兄さんみたいなリアクション
一緒に驚かなきゃいけないような空気…
「わぁ…ありがとうございます」
まだ、淹れたてみたいに熱い
《5階です》
「失礼します」
と人をかき分けて振り返ると
右手を挙げて、爽やかに手を振るソクジンに軽く頭を下げた
王子様みたい…
心臓が少しだけ速い鼓動を刻む
突然の出来事と人の眼に緊張しただけなのか
トキメキなのか
そうだとしたら、それは高校生の私なのか
今の私なのか…
スーツと制服って似てるから？
テヒョンにもドキドキしたくせに、気が多いのかな
一途なつもりだったのに、少しショック…
じんわりと温度が伝わって熱くなる左手
自分でもまだ気付いていない気持ちが
ここにつまってるようで
一口飲むたびに胸が熱くなった
続く (更新停止中)
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作者名：碧華 | 作成日時：2019年3月17日 10時
