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「あれっ？寄って行かないの？」
マンションの前で私と一緒に降りると
このまま帰る。と言うテヒョンに思わず聞いてしまった
誘ってるように思われたら恥ずかしい
もちろん家にはジミンもいるんだけど…
TH「今日はデートだから、送ったら終わり」
背伸びしてるみたいな理由が可愛くて、「じゃぁね」っていつものように軽くハグをすると
TH「ヌナが彼女になってくれたら、おうちに寄るね」
耳元でそんなことを言うからドキッとする
「もぅジミンにも会いに来ないの？」
照れ隠しで、咄嗟に変なことを聞いたと自分でも思う
これじゃぁ、家に来ないのが寂しいみたいだ
TH「んーー ジミンが寂しがるから、親友のテヒョンは遊びに行く」
また、よく分からないことを…
そもそも、好きだとは確かに言われたけど
私を彼女にしたいってこともさっき初めて知った
普通ならその流れだろうけど、テヒョンだから…
好き→ちゅぅ→デート→満足して終わり
なんてこともあり得ると、どこかで思ってた
私の想像していたテヒョンの【好き】の気持ちが、勘違いじゃなくてホッとしてる
んっ？ホッとしてる？
うん。
キスされて、けっこうドキドキしたのに
やっぱり、ジミンもヌナも同じ好き。とか言われたらちょっと傷つく
歳はとったけど、私もまだ乙女なのだ
相手が弟と同じようにしか見てなかったテヒョンだとしても…
でも忘れちゃいけなかった…
テヒョンの恋愛観は独特だ
新しく告白されれば、古い方を押し出して彼女がコロコロと変わる
ハッキリと聞いたことはないけど
ジミンの口から出るテヒョンの彼女の名前がいつも違ったことを思い出すと
大学生の頃もそのスタイルは変わらなかったはず
就職してから頻繁にうちに来てるから
最近は違うのかもしれないけど…
本当は誰とでもキスするのかもしれない
テヒョンの好きをあまりに素直に受け止めていたけど
ドキドキするのも、キスにドキドキしてるだけで…
TH「Aヌナ？」
見上げると、大きな瞳が私を見つめて
TH「何考えてるの？」
不安そうに眉が下がる
自分の気持ちも分からないのに、テヒョンの気持ちを疑って…
これじゃずっと何も分からないまま
「楽しかったなぁって思って…」
TH「本当？またデートしてくれる？」
うん。って頷く前に
TH「キスしてもいい？」
「うん…っ！？」
チュッ
軽く触れるだけのキスを落として、テヒョンとの初デートは終了した
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作者名：碧華 | 作成日時：2019年3月17日 10時
