For the boys... (ページ6)

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[side by baekhyun]

『…今日って定休日ですよね』

ドアを開けたAは寝起きのようで、
仮にも職場の上司だというのにスッピンの顔に
不満を隠さない。

BK「淹れたてコーヒーに生ハムとクリームチーズ、
ケッパーも添えたお手製ベーグルサンドでどうだ！」

朝飯が入った紙袋をAの顔の前に突き出すと、
美味しそうなコーヒーの香りに鼻を少しひくつかせ、
渋々とドアから体を横にずらす。

玄関からすぐのダイニングテーブルに朝飯を並べ、
Aと向かい合う形で椅子に座る。

『別にいいんじゃない？…ぁちっ』

BK「いきなり本題かよ」

『朝イチに押しかけといて今更でしょ。
って、コーヒー美味いね！ベクが淹れたの？』

BK「うん、ドリップするの好きでさ」

『へー！ありがと！』

さっきまでのブータレ顔はどこに置いてきたのか、
満足そうにニカッと笑った顔は本当に幸せそうだ。

BK「口止めには安いかなと思ったんだけどさ」

『んー…まぁ、ビックリはしたけど
私が口出しすることじゃないし、そんな権利もないし』

BK「終わらせなきゃとは思うんだ…思うんだけど」

『ん、そんなさ、』

口の端にクリームチーズをつけながら
淡々と話をするA。

『そんな簡単に終わらせられるくらいなら
最初から踏み込んでないでしょ』

BK「え」

『たださ、優しすぎるんだと思うよベクが。
だから向こうもつい弱ると縋っちゃうんじゃない？』

BK「……」

『オーナーも年離れてるうえにマイペースそうだし、
奥さんも無性に寂しくなると、ふと自分の女の部分を
確かめたくなるんだろうね』

ベーグルサンドの最後の一口を口に放り込んで
残りのコーヒーを飲み干すと、まだ飲み足りないのか
キッチンに向かいコーヒーポットを火にかけた。

『なーんて偉そうに言ってはみたものの、
私も恋だの愛だのって全然判ってないから
まともに受け取らないでｗ』

BK「いや、あながち間違いではないよ。
俺が甘やかしてるのも事実だし…
サンキュ、何か話したら楽になった」

『そっかｗうん、私も色々あった時に、
根気よく話聞いてもらって気持ち軽くなったもんな』

BK「そういや、どうしてこの町に来たのか
聞いたことなかったわ」

『…長いよ？ｗ』

BK「今日、定休日ですしｗ」

"じゃあ顔洗ってくるからコーヒーは任せた！" と
戸棚から取り出したドリッパーと豆が入った缶を
俺に押し付けて洗面所に向かったA。

夕飯のピザを食べた後も話は尽きなかった。